空中キャンプ

2007-05-27

[]「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」を見たゼ!

渋谷にて。カザフスタンからやってきたおっさん(という設定)、ボラット氏が、アメリカを旅しながらその文化を学んでいく(という設定の嫌がらせ)。各地でたくさんひどいことをしながら、LAを目指す。しかし、ここまで人に嫌われようと努力する姿勢はたいしたものである。かなりめちゃくちゃでした。ただし、これは書いておきますが、ドキュメンタリーという触れ込みではあるものの、仕込みも多いよなあ。ほんとうにひどい行為とか、度をすぎたいたずらについては、あきらかに相手側の了承を得ている。まあ、あたり前ですけども(じゃなきゃ映画にできない)。そのへんの境界線の見きわめも含めて興味ぶかいとおもいます。

おもしろかったのは、教会に集まってくるキリスト教の熱心な信者たちにボラットがまぎれこんでしまうという場面で、正直、本気を出したキリスト教信者というのはとてもこわかった。集会は異様な熱を帯びている。賛美歌を熱唱し、スピーチがおこなわれる。興奮のあまり、会場を意味なく走りまわるおっさんさえいるほどだ。「神を称えよ!」「人間が猿から進化したなんてウソだ!」「神が人間を造ったのだ!」など、そうとうヤバい主張をマイクでがなりたてる人たちのあいだに、ヒゲのおっさんボラットがふらふら迷い込んでいく。ここはどきどきした。いけるのか。こいつらとやりあえるのか。がんばれ、ボラット。おもわず応援してしまう。あの場面で見られる、キリスト教信者たちのホンモノ具合というのは、ぜったいに仕込めるものではなく、そうしたアメリカの歪みが見れたのはよかったです。

この作品がドキュメンタリーかどうか、といわれると、そう呼ぶにはストーリーが前もって練られてしまっていて、予想できないハプニングがあまり発生していないような気がするのはちょっと惜しい。ボラットのコント場面もおもしろいのだが、予想できないような事態がドキュメンタリー的に発生すると、そこでぐっとおもしろさが上がるのである。もうすこし、偶然を取り入れてみた方がよかったのかなあ。それを差し引いても、かなり笑える作品である。人前でここまでひどいことができるってすごい。わたしは気が弱いからたぶんむりだけど、平気でやるもんな、ボラットは。