空中キャンプ

2009-03-31

ふつうはむずかしい

メジャーリーガー田口壮のインタビューでおもしろかったのは、打撃を我慢だと話していることだった。どんな投手がきても、どんな場面であっても、自分が練習してきたことや、自分の狙い、バッティングのスタイルを崩さずに打つ。田口はそれを「ふつうに打っていく、我慢して打っていく」と説明している。なるほどとおもった。

ふつうになにかをするというのはとてもむずかしい。これはほんとうにむずかしいのだ。わたしにはそれがよくわかる。たとえば、あきらかにゆるゆるのボールを投げてくるピッチャーがいたとする。まっすぐのボールがまったく走っていない。そういった場合、こんなボールならかんたんにホームランにできる、と意気込んでしまい、つい大振りするバッターがほとんどだろうとおもう。わたしもきっとそうしてしまう。そこで我慢。ふつうどおりのコンパクトなスイング。これは口でいうほどかんたんではない。大振りの誘惑に勝つのはかなりむずかしいとわたしはおもう。

田口は「打席に入るときは必ずプランがあるんです。あとは、そのプランに対してきちっと沿っていけるかっていうだけのことで、つまり、どこまで我慢できるかっていう勝負」だと語っている。そうなのだ。これは野球だけに限った話ではない。ピンチのときにも我慢は必要だけれど、むしろわたしは、チャンスのときにこそふつうにする、我慢することで好機を逃さないことがたいせつだとおもう。なぜならわたしはチャンスになると、つい欲ばってしまったり、我慢が効かなくなったりして失敗することがものすごく多い、おもいだせないくらいに多いからである。そのことを考えるとちょっと泣きたくなります。

ふつうというのは、実に奥が深くてむずかしい。こうして人生すごしていると、年に数回は「これはチャンス……」というタイミングが訪れるわけですが、そういうときにこそ自分を戒め、チャンスをふいにしないよう、できるだけふつうにしていく、自分のプランに忠実に、我慢していい結果をだしたいものだとおもっています。