空中キャンプ

2011-12-04

[]『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』を見たゼ!

渋谷にて。3D、字幕。原作まんがは全く知らない状態でしたが、なにより映像のクオリティにびっくりしました。3Dで見るべきと感じる立体感があり、アクションの緻密さも含めて驚きました。主人公タンタンが手に入れた船の模型がきっかけで始まる、ユニコーン号と呼ばれる船にまつわる謎がテーマ。

もはやCGアニメで表現できない映像はほぼなくなったのではないか、ということを考えながら本作品を見た。かつては技術が表現に追いつかない部分があったが(いま見れば『トイ・ストーリー』(’95)に出てくる犬の毛並みにはあまり動物らしさが感じられないが、それは当時のテクノロジーで可能な描写に限界があったためだ)、現在ではそうした技術的な問題もおおむね解決しているように見える。本作における人間の顔のリアリティにはほんとうに驚いた。少年らしい顔の赤み、皮膚のつやや太陽に反射するうぶ毛など、実写と言われても信じてしまいそうなほどだ。また、主人公のバディ役である船長のひげのごわごわした感触や、目の周囲に刻まれたしわ、鼻から数本飛びでる鼻毛に至るまで、CGアニメにおける描写は人間の顔ですらすでに可能になっている。

アクションにしても同様で、実写ではむずかしいカメラの移動も含めた、とても臨場感のあるシークエンスがこれでもかと連続していき、そのどれもが計算され尽くしたものであることは確実だ。劇中、財宝のありかが書かれた古文書を、敵と味方が入り乱れて奪い合う坂道のくだりなど、この映像を完成させるのにどれだけの準備が必要だったのかと感心してしまうほどだ。とはいえ、あまりに高度に制御された映像(まるで人間そのものに見える顔、緻密に計算されたアクションシークエンス)に破綻がなさすぎると感じた観客は多かったのではないだろうか。アクションのクオリティはとても高いのだが、物語がそつなく進んでいってしまうことに物足りなさもあるのだ。

個人的には、映画における「スペクタクル」の定義をあらためて考えてしまった。ぜいたくな要求ではあるのだが、「とてもよくできている。しかし…」という意見が意味するのは、映画にはある種の破綻や不可解さが必要で、スペクタクルには不完全さやアクシデントの介入が必要になるということなのだろうか。混沌を意図的に組み込み、わけのわからない要素をさりげなく挿入することで、物語はよりいきいきと動きだすのではないかという気がしました。