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本の博物館

2017-12-16

野球今昔物語

10:14

野球が日本に伝来した明治時代初期から現代まで。意外なエピソードなどを綴ったエッセイ集。侍ジャパンの源流は?

野球今昔物語https://bccks.jp/bcck/152661/info

菊池道人著 一人(いちにん)社

2017-12-02

最も納得できるいじめ関連の本

13:50

https://books.rakuten.co.jp/rb/6013954/?scid=we_fcb_upc443

この書のサブタイトルは「なぜ人が怪物となるのか」である。そして、その怪物の正体を明らかにしていく書である。怪物の名は「群生秩序」。「いま・ここのノリを「みんな」で共に生きるかたちがそのまま、畏怖の対象となり、是/非を分かつ準拠点になるタイプの秩序である」 (本書35頁より抜粋) と定義づけている。

 それは一般市民社会の秩序とは著しく違う。ノリの良し悪しが価値基準で、それにそぐわぬ者はいじめられる。そして、いじめが原因で自殺者が出ても、「あっ、死んじゃった、それだけです」

人を死に追いやっても、罪悪感はない。そういえば、かつて評者が傍聴し続けていたいじめ自殺事件の裁判の途中で、加害者の女子生徒の一人は結婚していた(参考:菊池道人著「津久井町いじめ自殺事件」http://www5e.biglobe.ne.jp/~manabi/4.htm)。 これも群生秩序ゆえなのであろうか。その他にも、評者の学校生活を振り返り、本書の指摘と通じていたと思われるいくつかの事例が思い出される。

 こうした群生秩序の温床となっているのが、閉鎖空間でベタベタすることを強制する学校制度であり、それはまた戦時中日本の隣組中国文化大革命とも通じるものがあるという。

本書では解除キーとして警察の介入を推奨する。この件に関しては、評者は大賛成である。また、教育制度の根本的改革も提案している。改革というものは、副作用的な現象が付随しがちであり、実践には慎重さが求められるかとは思うが、少なくとも、本書著者の指摘は現代人が認識すべきものであり、評者がこれまでに読んだいじめに関する本の中では、最も納得いく書である。

 著者の内藤朝雄氏には心から敬意を表する次第である。(本の博物館館長代理・菊池道人)

2017-11-11

故郷・早稲田を綴る

10:38

先ずはこの本の著者にこの場を借りて、遅ればせのお礼とお詫びを申し上げなければならない。

 著者・安井弘氏が四代目として握り続ける八幡鮨は、評者が早大在学中に在籍していた「歴史文学ロマンの会」が宴会場として度々使用、二階座敷で騒ぎまくっていたからである。 評者入学時の新入生歓迎会、卒業時の追い出しコンパもこの店であった。

   私事はさておき、著者の安井氏は戸塚第一小学校、早稲田中学、早稲田実業に学び、父祖の代からの老舗鮨店を継ぎ、今なお現役であるという。また、下戸塚郷土史研究家でもあり、「我が町の詩 下戸塚」の刊行にも携わった。早稲田に生まれ育ち、愛情深き眼差しで見つめ続けた故郷の姿を綴った名著である。

 江戸時代、この地には高田馬場とよばれる馬術場があり、武士たちが流鏑馬などに励んでいた。後の赤穂四十七士の一人、堀部安兵衛こと中山安兵衛が義理の伯父の助太刀で武名を挙げた由緒ある地に、明治十五年、その前年の政変で下野した大隈重信が東京専門学校、後の早稲田大学を創設した。田んぼやミョウガ畑、そして校歌の歌詞にもあるような「早稲田の森」に囲まれた緑豊かな地も、学校の発展に伴い、商店や下宿屋が立ち並ぶようになったが、著者の少年時代に起こった第二次世界大戦の際には、多分に漏れず、空襲の被害に見舞われた。戦後の経済成長、さらには平成時代のバブル崩壊と時代の変遷とともに街の姿も変わっていった。

 しかし、早稲田は学生の街。いつの世も様々な青春ドラマがあった。そうした数々の人間模様が美しき自然描写とともに綴られている。

 読み終えて本を閉じ、やや上を向いて目をつぶった評者の瞼には、今頃は紅葉が盛りの水稲荷神社、秋の青空を突き刺すかのように聳える大隈講堂がかすかに浮かんでくる。

近いうちに、思い出の店でもある老舗にて旨い鮨を肴に一献と評者は思っている。(本の博物館館長代理・菊池道人)

2017-09-30

「畠山重忠」全巻揃いました。

08:19

畠山重忠(四)

https://bccks.jp/bcck/151573/info

豪族同士の争いを調停するなど、鎌倉政権体制確立にも尽力する重忠。しかし、頼朝の死を境にして、御家人たちの力関係は大きく変化し、心ならずも新たな権力抗争に巻き込まれる。一方、袂を分かったはずの左近は:。武士としてのそして人間としてのあり方を問う一作、ここに完結!

2017-09-17

「「畠山重忠(三)」

13:52

畠山重忠(三)

https://bccks.jp/bcck/151467

後白河法皇の「毒を以て毒を制す」策謀は騒乱を誘発するだけではないか、との疑問を抱いた傀儡子の左近は、平家側にある神器を奪還することで戦争終結させることを企てる。一方の重忠は武士の道理に基づく政を目指す頼朝に共感するも、弟である義経までも排除しようとする冷徹さには違和感も覚えるが:。変革期に苦悩する男たちの姿は。