けものフレンズ



 久しぶりに(ガンダムじゃない)アニメを通しで見た。最近つとに、毎週放映される映像作品を毎週ちゃんと見るというのが億劫になった私としては珍しいこと。


 たまたまTwitterで話題になってたので途中から追い始めたのですが、うむ、実に楽しい、良いアニメでした。こんな明るくわくわくした気分で、楽しくアニメを見たのも、これも久しぶりでした。
 誰だったかが「童心に帰る」という表現をしてましたけど、ほんと、そんな感じだった。


 『けものフレンズ』という作品の魅力の一つとして、「よく練られた展開」「動物の生態をよく調べ登場キャラの行動や特徴に落とし込んだ作劇」「明るいドラマに見えて、物語の端々に見える不穏な設定」といった事が聞かれますし、実際、その辺りも実によく出来ていました。特に動物の特徴や設定考察なんかはTwitterでさかんに流れてきて、そうした情報を共有できる視聴環境が整ってるからこそこれだけ多くの人の耳目に触れた作品だったと思います。


 けど……私の個人的な内心を正直に告白しますとね。
 そうした「作り込まれた描写」や「意味深な背後設定」とかは、ぶっちゃけ、いい歳した大人の私がこの作品を見続けるための口実だった面がかなり大きい(笑)。細部の描写に感心したり、難しい設定考察したりする余地にも確かに感心してたけれど、そういう部分によって批評家ヅラした自分の中の「大人」を納得させることで、本当は、私の中の童心が大喜びでこのワクワクする冒険と優しい世界に浸っていたんですよね。
 この作品が深夜枠だったのは本当に惜しいと思う。夕方ごろに放送して、小学校低学年くらいの子供が見られるようにしてほしい。私もそれくらいの頃にこの物語に出会ってたら、難しい理屈一切無しでいっぺんに好きになってたと思う。


 とにかく、毎回さまざまな難題や冒険にあたって、特別な力じゃない、知恵と工夫といろんな仲間の協力で乗り切っていく物語だったのが最高でした。子供の頃にアニメの『悪魔くん』とか『魔神英雄伝ワタル』とか見て楽しんでた、そういう感覚を久しぶりに得られたし。そういうシンプルな楽しさを、こんな偏屈でへそ曲がりの大人にまで味わわせてくれた、とにかくその事に感謝しかないです。
 こういう作品が、さまざまな逆境にも関わらず注目されて多くの人に届けられたって、ほんと、まだまだ世の中捨てたもんじゃないよね。


 本作の好きなところを挙げ始めたらキリがありません。でもそれやってるとまた全話コメントつけるみたいな大仕事になってしまうのでw 今回はとにかく、「良かった」という感想だけを残しておきたいと思います。
 たーのしー!!