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リハ医の独白 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-04-28 出口調査 48%が後期高齢者医療制度「廃止」

衆院補選・自民敗北 背を向けた支持層

 毎日新聞、<読む政治>衆院補選・自民敗北 背を向けた支持層、より。

<読む政治>衆院補選・自民敗北 背を向けた支持層

2008年4月28日(月)13:00


 ◇「後期高齢者医療」首相の説明空振り/「現場知らない厚労省」与党に不満も

 ◇「福祉・医療を重視」25%/60代以上も平岡氏が多数


 毎日新聞とJNNの出口調査では、後期高齢者(長寿)医療制度への不満が、民主党勝利の大きな要因になったことを示している。


 「投票で何を最も重視したか」の問いには、「福祉、医療」がトップで25%。まさに新制度が有権者の最大関心事で、こう答えた人の65%が民主の平岡秀夫氏に投票し、自民の山本繁太郎氏は30%という低率だった。また、もともとは自民党の支持基盤ながら、新制度に切実な関心を持つ60代、70代以上で、それぞれ58%、46%が平岡氏に投票と回答し、山本氏を上回った。


 新制度を読み解けば、1人当たりの医療費が現役世代の約5倍もかかる75歳以上のお年寄りを別枠でくくり、医療費がかさめば、それだけ保険料も負担してもらう。お年寄りに節約意識を求め、現役世代の負担軽減に力点を置いたシステムだ。


 制度の土台というべき根本理念が、国民に認められていないことが補選を通じてあぶり出された。


    ◆


 「また、謝らせるのか」。福田康夫首相は声を荒らげた。15日の新制度開始を控え、官邸に呼ばれた厚生労働省幹部が首相に「説明不足を謝った方がいいのではないか」と助言した際のことだ。


 「国民に説明する視点が全くない。役所のレベルは落ちた」(政府筋)。官邸内には宙に浮いた年金記録の照合問題に続き、厚労省の不手際で、陳謝に追い込まれるという被害者意識が生まれた。


 「お年寄りの医療はお金がかかる。だけど若い人たちもせっせと支えよう。お年寄りの方々は幸せですよ、それは。だけど少しぐらい負担してくれてもいいじゃないのっていうのが、今度の医療制度なんだけどね」


 20日、山口県入りした首相が演説で新制度に触れると、会場は静まりかえった。首相特有の軽い口調は、聴衆に第三者的な印象を与え、胸に響くことはなかった。


    ◆


 新制度の理念は、小泉純一郎首相時代の03年3月28日に閣議決定された「医療制度抜本改革の基本方針」に盛り込まれている。


 当初、厚労省は健保組合など若年層の多い医療保険が、多くのお年寄りを抱える国保などを財政支援する案を推した。一方、丹羽雄哉元厚相ら厚生族は、お年寄りにも応分の保険料を求め現役の負担を軽くするよう、75歳以上の独立型を主張した。


 坂口力厚労相(当時)は折衷案を示し、これが原案となり、06年6月医療制度改革関連法として成立した。「改革は痛みを伴う」を基調とした小泉構造改革が推進力となった。


 参院選で自民党は惨敗し、小泉改革の負の側面が敗因の一つと分析された。就任した福田首相は、会社員や公務員の扶養家族で保険料を払っていなかったお年寄りも徴収対象になったため、保険料軽減措置をとった。


 17日、自民党有志議員による「後期高齢者医療制度を考える会」の初会合には42人が詰め掛けた。同会メンバーの平沢勝栄衆院議員は「地元で、お年寄りから批判を受けない日はない。自民党の大切な支持層を敵に回している」と語る。


 86歳の塩川正十郎元財務相は、産経新聞(17日1面)の自身のコラムで、新制度の通知についてこう記した。 「その紙切れは私の人生を否定するものでしかなかった」


 小泉政権の番頭格だった長老の言葉に、党内の動揺が広がった。


    ◆


 厚労省は与党議員に「多くの市町村は保険料が下がり、天引きが始まったら『たいしたことない』と沈静化する」と説明し続けた。ところが運営が都道府県に移行するため市区町村独自の補助がなくなり、保険料が上昇するケースがあることも分かった。


 「保険料が下がる」の説明は崩れ、江利川毅事務次官も「周知の方法に工夫の余地はあった」と認めざるを得なくなった。


 ある厚労族議員は「官僚が地方の補助制度を知らなかったのは不思議だろうが、保険局のエリートたちは驚くほど現場を知らない。制度の仕組みしか関心がない」と話す。


 「努力なしに保険料が下がるなら、制度の意義が失われる」


 今、厚労省幹部は焦りを隠さない。同省は新制度を、老人医療費の引き下げを実現した都道府県は保険料を減額できる半面、医療費抑制に失敗したら保険料を上げざるを得ないという、競争理念の導入ととらえていた。


 ところが批判の高まりで、9都道府県以上の自治体が独自に税を投入し、保険料の引き下げにつながった。同省には「人気取りのルール違反」と映るが、すでに現場では制度の理念が揺れているのだ。


    ◆


 腰が定まらない政府・与党が有権者を説得できるわけがない。


 古賀誠選対委員長は3月、「制度のスタート時期を補選後に延期できないか」と谷垣禎一政調会長に打診したが、すでに手遅れだった。選挙戦後半には「安心・納得の長寿医療制度」と、新制度の利点を大書した機関紙の全戸配布に乗り出したが、効果はなかった。


 ガソリンから後期高齢者へ。「ねじれ国会」は高齢者医療でも、福田政権をテストしようとしている。


 元財務相で、社会保障費削減の旗ふり役だった塩川正十郎氏に、「その紙切れは私の人生を否定するものでしかなかった」と述べる資格はないと思うが、そう発言せざるをえないほど、高齢者の怒りは根強かった。

 「国民に説明する視点が全くない。役所のレベルは落ちた」という発言には失笑を禁じえない。「政府筋」の方々は自分が国政を預かっていると感覚が全くないようだ。

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