二階経産相、抗議を受け「医師のモラル」発言を撤回し謝罪

 CBニュース(2008年11月14日)、「医師のモラル」発言を撤回し謝罪―二階経産相より。

「医師のモラル」発言を撤回し謝罪―二階経産相



 救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いでいることに関し、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」などと発言したとされる問題で、二階経産相は発言を撤回し、「わたしの発言が医療に携わる皆様に誤解を与えたことをお詫び申し上げる」と謝罪の意向を示したことが分かった。11月13日の参議院厚生労働委員会に出席した同省の近藤賢二商務情報政策局長が明らかにした。


 昨日のエントリーで取り上げた、二階経産相「医師のモラル」発言が、抗議を受け、撤回し謝罪された。迅速に抗議を行った全国医師連盟、周産期医療の崩壊をくい止める会代表佐藤章氏などの活動が実を結んだ。


 なお、事の顛末については、「ある経営コンサルタントのブログ」(2008年11月13日)、二階経産省の聞き逃せない発言が詳しい。関係資料が多数載っている。

食事支援ロボットは、介護人材不足解消にはならない

 FNNニュース、舛添厚労相、介護人材不足解消に向け開発された食事支援ロボットのデモンストレーションより。

舛添厚労相、介護人材不足解消に向け開発された食事支援ロボットのデモンストレーション


舛添厚生労働相が10日午後、介護の人材不足解消に向けて開発されたロボット「食事支援ロボット マイスプーン」のデモンストレーションを行った。


(中略)


舛添厚労相は「例えば、食事をアシストするための職員が1人いらないわけです、極端にいうと。これだけ介護の現場が大変なんで、こういうのがあるっていうのを知れば、相当引き合いがあるんじゃないかな」と述べた。


 動画をみるとわかるが、「食事支援ロボット マイスプーン」を使いこなすことができるのは、知的能力が高い方である。高位頸髄損傷者が介護者の手を借りずに自分のペースで食事をとりたいと願うような場合に最も効果がある。認知症の方が多数入所している介護施設では無用の長物である。


 セコムのホームページ、マイスプーンをみると、次のように紹介されている。

手の不自由な方が体の一部を動かすだけで、自分で食事ができるようにするロボットです。ご飯やおかず、お菓子などほとんどのものが食べられます。頸髄損傷、筋ジストロフィー、慢性関節リウマチなどの方々で有効性を確認しています。


 お値段は、税込 399,000円〜428,505円。中古の軽自動車なみの値段である。


関連エントリー
 ホンダの歩行支援ロボット研究(2008年7月2日)

 ホンダの歩行支援ロボットも展示されていた。上記関連エントリーをご参考にしていただきたい。

介護施設の火災で死者ゼロ

 河北新報1階居室ベッドが火元? 仙台・介護施設火災より。

1階居室ベッドが火元? 仙台・介護施設火災


 仙台市若林区下飯田の複合型介護施設「六郷の杜」で13日未明、入所者ら33人が負傷した火災で、仙台南署などが同日朝から実施した実況見分の結果、1階の男性入所者(78)の居室にあったベッド中央部の焼損が激しいことが分かった。南署は、男性から話を聞くなどして出火原因の特定を進めている。


 調べでは、男性の居室にはストーブやガス器具などの火気類はなかった。全焼した居室に加え、廊下や天井など計約35平方メートルが焼けた。南署は、何らかの火がベッドのマットレスに移り、部屋の天井や床に燃え広がったとみている。


 施設の運営会社「ケアミックス・ジャパン」の東海林和博社長(57)によると、男性は出火時、居室内で車いすに座っており、駆け付けた職員が救出した。ドアを開けた際、煙が居室から廊下に流れ出し、施設外部から窓ガラスを割って消火活動に当たったという。


 煙を吸い込み、気道熱傷や一酸化炭素中毒などで重症となった男女3人の入所者はいずれも1階にいた。施設は13日午前から、焼損がなかった2階に入所者を受け入れ始めた。


 六郷の杜は2003年8月に開設。1階はショートステイ用、2階は有料老人ホーム用の居室が計40室あり、出火時は入所者39人と職員3人がいた。


2008年11月14日金曜日


 正直、深夜の火災で死者ゼロに済んだということは不幸中の幸いである。職員3人で、2階も含め39人もの入所者を見ている中で、全員避難させることができた。気道熱傷や一酸化炭素中毒などの重症者の状況が気がかりである。


 以前、長崎のグループホーム火災で死者が出たとき、介護施設の防災体制が大問題となった。*1今後、高齢社会を深刻化する中、グループホームや複合型介護施設など小規模の居住施設で暮らす要介護者が増えていく。夜勤体制など職員が少ない時間帯にどのような防災体制を組むか、各施設とも頭を痛めていることだろう。

*1:日本介護新聞(2006年1月16日)、長崎グループホーム火災の教訓生かせ参照。