20世紀・太平洋戦争


20世紀 太平洋戦争 (中公文庫)
【タイトル】  20世紀・太平洋戦争   はてな年間100冊読書クラブ−No.066
【編著者】   読売新聞20世紀取材班    
【出版社】   中央公論新社(中公文庫BIBLIO S17-5)
【発行年月日】 2001年10月15日
【版型 頁数】 文庫版 292頁
【版 刷】   初版1刷
【ISBN】    4122039169
【価格】    680円
【コメント】
本巻は読売新聞20世紀取材班による20世紀シリーズの第5巻、軍部主導により暴走しだした日本が東アジア、東南アジアを経て、米国・真珠湾へ侵攻、世界大戦に参入。そして原爆という悲劇で終戦に至る。奇しくも今日は8月6日、かつて広島に原爆が投下された日である。第2章ではその“原子爆弾”にまつわる秘話が幾つか・・・・・・。執筆者の調査・研究による論考が主体だったこれまでの巻と異なり、この巻では、関係者へのインタビューという形式が主体で歴史記述が進行するのが特徴か?
本書では、米国の反撃やソ連の参入など、相手方から見た太平洋戦争についての記述が目に付く。意外にも軍内部、日本の指導部側の論理があまり明確では無い。どうしてか?もう出尽くしたからなのか?これが一番重要なことだと思っている。だから今後も『太平洋戦争の総括』を考えていかなければいけないのだ。真珠湾にまで侵攻したのは、日独伊・三国同盟の関係だろうか?欧州ではドイツ、イタリアが、アジアでは日本が盟主となり、米国との最終決戦に臨むという作戦だったのだろうか?当時の軍部・指導層の戦争計画というか侵攻作戦がどんなだったのか知りたいところであるが、何らかの資料が有るのあろうか?東京裁判の記録や軍部を扱ったドキュメントなど探してみたいと思っている。
毎年この時期になると世間では戦争や原爆という話題が多くなる。夏の甲子園も今日から開幕したが、15日のお昼には甲子園球場でも1分間の黙祷を捧げるイベントが行われる。日本人にとって、どうしても忘れることが出来ない“シンボリックな日”である。
結局戦争についての『総括』が政府レベルでまだなされていないということが一番の問題なのだ。アジア外交靖国問題など近隣諸国との間に抱える課題は山積している。うやむやの内に『戦争放棄』、『核兵器根絶』などを叫んでみても、なかなか近隣諸国の理解は得られないということだ。9月には新しい政権が発足するはずだが、さてこの辺の問題についてどういった展開になるのだろうか?某A氏が次の総理大臣の有力候補らしいが、このタカ派の政治家がリーダーになって日本はどう変るのだろうか?
昭和史・戦争について真正面から考え初めて半年ほどになるが、まだ良く分からない。どうしてこういうことになってしまったのかが・・・・・・。これからも考え続けなければと思っている。
【目次】
1 日米決戦
真珠湾攻撃 無頼裏核心いまだ封印 ・・・ 10 / 日米開戦 あの時何があったのか ・・・ 18 / 
真珠湾奇襲 −そのとき、記者は ・・・ 30 / 山本五十六 死招いた“東郷の幻影” ・・・ 44 / 
日系米兵 米国への忠誠 武勇で証明 ・・・ 51 / 誤鏐の始まり ・・・ 55 / 
あるキリスト教者 戦地の抵抗 ・・・ 63 / 栄光と悲劇 「沢村伝説」 ・・・ 73 /
飢えと屈辱 十三万人のオランダ人 ・・・ 84 / ガダルカナル 敗戦への分水嶺 ・・・ 94 / 
半世紀前の“コンピュータ戦争” ・・・ 100 / 爆弾とともに舞い降りたビラ ・・・ 109 / 
沖縄戦 失われた魂の発掘 ・・・ 119 / ソ連参戦 「反ソ」強めた中立破棄 ・・・ 126 / 
日本人避難民 死の淵からの生還 ・・・ 133 / 昭和天皇 責任論議深いよどみに ・・・ 144 / 
東洋人として、一日本人として ・・・ 158 / あの戦争 ゆれる呼称 ・・・ 167 / 
子へ、孫へ 「あの戦争」を語り継ぐ ・・・ 176
2 原子爆弾
科学者たちの「戦争責任」 ・・・ 186 / 原爆開発 「国家管理の科学」幕開け ・・・ 196 / 
ヒバク 世界に広がる恐怖 ・・・ 210 / 核の時代と二人の女優 ・・・ 225 / 原爆投下 
展示論争揺れる米の「常識」 ・・・ 232 / 世界の教科書に見る「原爆投下」 ・・・ 254 / 
原爆問題の栄光と苦悩 ・・・ 262
参考文献 ・・・ 284
執筆者・掲載日一覧 ・・・ 291

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