ーOOO-おもいっきりザリガニ食べてみたい!

 
 みなさん、「おもいっきりカニを食べたい!」と思ったことはありませんか?
 え、ある? あるよねぇ。うんうん。
 じゃあ、今夜はザリガニなんかどうでしょう?
 え? 「おいしくなさそうだ」って?
 ですよねー。
 でもザリガニってフランスでは高級食材らしいし、中国やオーストラリアやアメリカなんかでも日常的に食べられてるみたいなんですぞ。
 ということで先日ワタクシ、IKEAで行われた「ザリガニパーティー」というのに行ってきたですよ。
 低価格な組立家具で有名なIKEAは、スウェーデンの企業です。今回は 「スウェーデンの文化に広く親しんで欲しい」 ということで、こんなイベントを企画したのだとか。

 そもそもザリガニパーティーは、スウェーデンの一般家庭で広く行われている行事です。
 なんでも、スウェーデンではあまりにもザリガニを食べ過ぎるので、ザリガニの禁漁期がもうけられているのだとか。そしてザリガニ漁が解禁になる8月になるとザリガニパーティーが開かれるそうです。
 このためザリガニパーティーは、スウェーデンの夏の風物詩みたいなものなんだとか。

おいしいザリガニの食べ方

 
 さてさて、いよいよザリガニを食べてみます。
 手始めに5匹ほど皿の上に並べてみました。
 ちなみに、皿の左奥の三角形のモノは「ザリガニハット」、皿の下にあるザリガニの絵が描いてあるモノは「前掛け」です。ザリガニパーティーには欠かせないモノだそうです。
 ですがワタシは気恥ずかしいので、付けませんでした。
 コレが後で大変なことになるのですが…。

 ところで、ザリガニってどうやって食べたらいいんだろう?
 そんなアナタのためのインストラクションマニュアルがこちら!
 コレさえ見れば、誰でも簡単にザリガニを味わい尽くすことができる!
 

 で、まずは、ハサミの部分をもぎ取ります。
 そして、かなりに堅いカラを割って、ハサミの中から身を取り出します。

 身が小さい!
 フツーのカニならハサミはご馳走なのですが、ザリガニの場合はあまりにもちょびっとなので物足りないです。
 ハサミの次は、いよいよ胴体に取りかかります。
 

 頭と胴体を持って、ちょっとグリグリひねりながら引っ張ってやると、身が抜けてきます。
 さらに、胴体を腹の部分から押し割ります。かなりに堅いカラに苦労しながらむいてやると、身が出てきます。

 うわー、ちいさーい!
 その身の長さは親指くらい、太さは小指くらいです。
 ニオイをかぐと、イヤな臭みはありません。大丈夫。
 で、いよいよいただきまーす!

 ぱくり。
 …なんつーんでしょうか、食感も味も、カニとエビの中間くらい?
 食感でいうとカニの身はザクザクしていて、エビはプリプリしてるじゃないですか? その中間くらい。
 味は…。上手く説明できないなぁ。エビとカニの中間くらいで、淡泊なんだけど濃い味がしました。
 塩ゆでだったんだけど、塩辛さが絶妙で、あとを引く感じ。
 そんでもって、頭の中にのこったザリガニバターをすくって食べます。
 ザリガニバターっつーか、いわゆるカニミソですな。
 ここ、たしかに美味い。美味いっつーか、あとを引くんですな。

 頭の中まですすると、濃い味がゾゾゾッとします。
 濃いんだけど、脂っこいうまさじゃないので、食べあきない。
 ザリガニの身が小さいから、物足りなくてもう一匹食べたくなる。
 どう美味いの? って言われると困るんだけど。
 でもなーんか、あとを引く。
 やめられないとまらない。
 気がつけばテーブルの上にはザリガニのカラの山ですよ。
 15匹くらい食べましたです。
 

ザリガニパーティーの作法

 ザリガニはカラを割ったり剥いたりするのが結構大変で、バリッと割った時に汁がビシャッと跳ねます。
 で、自分はおろか、周りの人にザリガニ汁が飛び散りまくる。
 ごめんなさいごめんなさい、と謝っていたのは最初のうちだけ。
 だって、周りのみんなも盛大にビシャビシャっと汁を飛び散らせるんだもの。
 なるほど、だからザリガニパーティーには帽子と前掛けが付きものなんだなーと、身をもって分かりました。
 このパーティーはテーブルの間隔が狭くて、隣の人とひじとひじが触れあうような感じでした。
 これはスウェーデンのザリガニパーティーの作法だそうで、「お互い距離を近くすることで、見知らぬ者同士でもお互いの会話を弾ませてください」ということでした。

 ところでカニを食べる時なんかだと、もくもくとカラをむいて食べるから、ぜんぜん会話が弾まないじゃないですか?
 で、ザリガニパーティーもちょっとそういう部分はあるんだけど。
 カニとザリガニで大きく違うのは、汁が跳ねやすいことと、隣と隣の距離が近いこと。で、汁が飛びまくった時に「ごめんなさい」をキッカケに話しかけやすい、と言うのはあったかな。
 ザリガニだけじゃなくて、色々なモノを食べました。
 たとえばチーズとか。
 ピザみたいに薄いパンがあったので、それとあわせて食べたりね。


 あと、チョコレートケーキとか。
 こんなに薄く切れるくらい生地の硬いケーキなんですが、これはこれで独特の風味でした。
 あ、このケーキもIKEAで売ってますよ。


 それからアクアビットというスウェーデンのお酒を飲みました。
 アルコール度数は40度とキツいお酒ですが、ジャガイモを蒸留して造ったお酒と言うことで、芋焼酎にちょっとだけ近い風味がしました。

まとめ

 ザリガニそれ自体はけっこう美味しかったです。泥臭さとかイヤな味は無かったので「マズい」と思う人は少ないのではないかなぁ?
 むくのが面倒くさいけど、ソコがまた良し。
 指先にザリガニのニオイがしみて、次の日までとれなかったのですが、ソレもまたよし。

「そーか、ザリガニ、ちょっと食べてみよっかな?」
と思った人は、お近くのIKEAへどうぞ。
 冷凍ザリガニは1パック17匹前後で1490円だそうです。

 さらに「ザリガニパーティーを開きたい!」という人は、前掛けに帽子、天井の飾り付けまで含めた「ザリガニパーティーセット」というのを売っています。
 ぜひカンペキなスウェーデン流のザリガニパーティーにチャレンジしてはいかがでしょうか?


 この日はザリガニを食べるのにとどまらず、スウェーデン民族音楽を奏でる人達がやってきたりして、スウェーデン文化に触れられて楽しかったです。
 IKEAの方いわく 「また何かのチャンスにこのようなイベントを開きますので、よろしくお願いします」 ということでした。
 ところで、ザリガニパーティーの紹介文の中には、こんなことが書いてありました。
「晩秋と秋は、ほかにも各地で季節のごちそうがあります。
 北部の人々はシュールストレミングスと呼ばれる臭いの強いバルト海産発酵ニシンを食べます。」


 あの、コレ、IKEAさん、次回のイベントで 「シュールストレミングスを食べるパーティー」 やってみませんか?
 スゴい怖いけど、期待しちゃっていいですか?