視点が周囲からではなく本人からであるというこが、この作品の特徴ですね。病気の進行と自分の変化、それに伴う家族の葛藤と愛・・・。人間の善と悪が見え隠れする部分もありますね。いい作品だと思います。多少アリスのい周囲の人間が善人すぎる気もしますが(汗)。
ところで、この本を読み終わった翌週6/27の公開日に映画も観ました。映画をみた感想は、当然ですがかなりはしょってるというイメージですね。それと微妙に原作と設定が変わっているのが疑問です。アンは妹だし、アリスの勤務先はハーバードだし。ただ、印象的な場面は映画にしっかりと組み込まれていますね。
映画の方が善人だらけでしょうか。もう少し泥臭い家族間の葛藤があってもよかったのではないかと思います。映画の話になってすいません

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アリスのままで ペーパーバック – 2015/5/1
50歳のアリスは、まさに人生の充実期を迎えていた。高名な言語学者として敬われ、ハーバード大学の教授として学生たちから絶大な人気を集めていた。夫のジョンは変わらぬ愛情にあふれ、幸せな結婚をした長女のアナと医学院生の長男のトムにも何の不満もなかった。唯一の心配は、ロサンゼルスで女優を目指す次女のリディアだけだ。 ところが、そんなアリスにまさかの運命が降りかかる。物忘れが頻繁に起こるようになって診察を受けた結果、若年性アルツハイマー病だと宣告されたのだ。その日からアリスの避けられない運命との闘いが始まる──。
本年度アカデミー賞受賞作品(主演女優賞:ジュリアン・ムーア)の原作
「ニューヨーク・タイムズ紙」のランキングに40週間ランクインし、世界各国で31の言語に翻訳されたベストセラー作品!
避けられない運命との葛藤と、家族の絆を描く感動の物語!
本年度アカデミー賞受賞作品(主演女優賞:ジュリアン・ムーア)の原作
「ニューヨーク・タイムズ紙」のランキングに40週間ランクインし、世界各国で31の言語に翻訳されたベストセラー作品!
避けられない運命との葛藤と、家族の絆を描く感動の物語!
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社キノブックス
- 発売日2015/5/1
- ISBN-104908059136
- ISBN-13978-4908059131
- Lexile指数860L
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商品の説明
著者について
ベイツ・カレッジで生体心理学の学位を、ハーバード大学で神経科学の博士号を取得。うつ病やパーキンソン病の病因学および脳卒中後の記憶の喪失などを、おもな研究領域としている。米国の認知症研究団体に所属し、米国アルツハイマー協会のコラムニストでもある。その豊富な認知症患者との対話から本書は生まれた。もともと自費出版で30万部を超える話題作だったが、ニューヨークの大手出版社サイモン&シュスターが新装版として出版し、『ニューヨーク・タイムズ』他のベストセラーにもな る。
登録情報
- 出版社 : キノブックス (2015/5/1)
- 発売日 : 2015/5/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 365ページ
- ISBN-10 : 4908059136
- ISBN-13 : 978-4908059131
- Amazon 売れ筋ランキング: - 497,669位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 6,652位英米文学
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画の予告を観て興味をもち、本書を手に取った。
アリスの年齢にまではいっていないが、年を追うごとに、
10代20代の頃の、暗記力や記憶力が失われていくのを感じている。
もちろん、それとアルツハイマー病を同等に語ることはできないのだが、
読みすすめるほどに「もし自分が…」という恐怖のような思いが、じわじわとわいてくる。
逆に言えば、徐々に進行する「忘れていく」ことの実態が、
本書では、恐怖を呼び起こすほどリアルに描かれているのだ。
フィクションである以上、脚色もあるのだろうが、この分野の専門家ならではである。
ラストの辺り、当人も家族も、どこまでいっても希望や愛を失わない姿は
アメリカならではといった感じで、少々、うらやましく思った。
アリスの年齢にまではいっていないが、年を追うごとに、
10代20代の頃の、暗記力や記憶力が失われていくのを感じている。
もちろん、それとアルツハイマー病を同等に語ることはできないのだが、
読みすすめるほどに「もし自分が…」という恐怖のような思いが、じわじわとわいてくる。
逆に言えば、徐々に進行する「忘れていく」ことの実態が、
本書では、恐怖を呼び起こすほどリアルに描かれているのだ。
フィクションである以上、脚色もあるのだろうが、この分野の専門家ならではである。
ラストの辺り、当人も家族も、どこまでいっても希望や愛を失わない姿は
アメリカならではといった感じで、少々、うらやましく思った。
2015年6月11日に日本でレビュー済み
主人公である50歳のアリス・ハウランドは名門ハーバード大学の言語学教授。
学者として確固たる名声を築き上げた彼女は、愛情あふれる夫、
健康で優秀な三人の子供に恵まれて悠々たる人生を送っていたさなか、
若年性アルツハイマーという残酷な診断を受けてしまいます。
著者リサ・ジェノヴァはハーバード大学で神経科学の博士号を取得し
記憶喪失などを研究分野にしているだけあって、
アリスの症状や医師によるテスト、子孫への遺伝といった描写にはきわめてリアリティがあります。
ですが、本書が感動的なのはそういった細部の迫真性のみならず、
最初はアイデンティティの喪失に激しく動揺したプライドの高いアリスが
やがて現実を受け入れ、さまざまな葛藤を経つつも
厳しい病気に立ち向かっていく毅然とした生き方のためでしょう。
競争社会であるアメリカの非情さやその対極にある懐の深さも存分に描写されています。
人は皆、老いとともに記憶力・思考力・運動能力を少しずつ失っていきますが、
アリスの人生はそうした現実に対処するうえでさまざまなヒントを与えてくれます。
本書は若年性アルツハイマーに対する啓蒙の書であるばかりでなく、
夫婦や親子の愛、生と死などについての多くの示唆に富む実に美しい物語です。
学者として確固たる名声を築き上げた彼女は、愛情あふれる夫、
健康で優秀な三人の子供に恵まれて悠々たる人生を送っていたさなか、
若年性アルツハイマーという残酷な診断を受けてしまいます。
著者リサ・ジェノヴァはハーバード大学で神経科学の博士号を取得し
記憶喪失などを研究分野にしているだけあって、
アリスの症状や医師によるテスト、子孫への遺伝といった描写にはきわめてリアリティがあります。
ですが、本書が感動的なのはそういった細部の迫真性のみならず、
最初はアイデンティティの喪失に激しく動揺したプライドの高いアリスが
やがて現実を受け入れ、さまざまな葛藤を経つつも
厳しい病気に立ち向かっていく毅然とした生き方のためでしょう。
競争社会であるアメリカの非情さやその対極にある懐の深さも存分に描写されています。
人は皆、老いとともに記憶力・思考力・運動能力を少しずつ失っていきますが、
アリスの人生はそうした現実に対処するうえでさまざまなヒントを与えてくれます。
本書は若年性アルツハイマーに対する啓蒙の書であるばかりでなく、
夫婦や親子の愛、生と死などについての多くの示唆に富む実に美しい物語です。
2016年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「若年性アルツハイマー」というテーマがテーマだけに話は重いです。
主人公の女性がハーバード大学の言語心理学の教授で超インテリであり知的水準がかなり高いという設定なのがこの物語にさらに深刻さを与えています。
これまた研究者で同じく超インテリの夫の苦悩や葛藤も相当なもの。
そのうえこの病気は50%の確立で子供に遺伝するというので主人公が3人の子供たちに自分の病気を打ち明けるシーンなど本当に胸がつまります。
主人公の病気が進んでいく過程が主人公の目線で淡々と、ひたすら淡々とつづられていきます。
映画が有名なので見てみたいと思ったけれどその前に原作を読んでおこうと手にとりましたがこれを読んだ今はとりあえず充分な気持ちになりました。
病気が進行していく途中で物語は終わっていてその先のことはわかりません。
もちろんフィクションだとはわかってはいるけれど読後感は重いです。
主人公の女性がハーバード大学の言語心理学の教授で超インテリであり知的水準がかなり高いという設定なのがこの物語にさらに深刻さを与えています。
これまた研究者で同じく超インテリの夫の苦悩や葛藤も相当なもの。
そのうえこの病気は50%の確立で子供に遺伝するというので主人公が3人の子供たちに自分の病気を打ち明けるシーンなど本当に胸がつまります。
主人公の病気が進んでいく過程が主人公の目線で淡々と、ひたすら淡々とつづられていきます。
映画が有名なので見てみたいと思ったけれどその前に原作を読んでおこうと手にとりましたがこれを読んだ今はとりあえず充分な気持ちになりました。
病気が進行していく途中で物語は終わっていてその先のことはわかりません。
もちろんフィクションだとはわかってはいるけれど読後感は重いです。
2015年8月30日に日本でレビュー済み
現役の大学教授が、突然若年性アルツハイマーと診断され、その戸惑いと周囲の混乱等を描いて、この病気に対する対応の難しさを描いています。
その患者本人の心理描写もさることながら、親子の関係やその会話の状況もよく描かれており、患者が発生する前後の心の動きが良く分かります。
特に、遺伝子に原因があることが分かり、子どもたち3人の中にも50%の確率でその遺伝子を持ったものがいるという状況で、それを調べるかどうかという決断を迫られます。
そして、そのことは孫にも影響がある訳ですから、ことは深刻です。
この遺伝子の件については、初めて知りました。
それだけに、自分の家系にそうした遺伝子がないことにホッとすると共に、そうした事実が分かった時には自分だったらどう対応するだろうかと考えてしまいました。
ラストをどう決着つけるのか気になりましたが、娘たちに優しく扱われている状況が描かれホッとしました。
「明日の記憶」の様に一人入院を決断するのではなく、この物語の途中にあるような自殺という様な決着でなくて良かったと思います。
いずれにしても、認知症は他人ごとではない問題です。
本人も大変だし、周りも大変です。
示唆の多い作品でした。
その患者本人の心理描写もさることながら、親子の関係やその会話の状況もよく描かれており、患者が発生する前後の心の動きが良く分かります。
特に、遺伝子に原因があることが分かり、子どもたち3人の中にも50%の確率でその遺伝子を持ったものがいるという状況で、それを調べるかどうかという決断を迫られます。
そして、そのことは孫にも影響がある訳ですから、ことは深刻です。
この遺伝子の件については、初めて知りました。
それだけに、自分の家系にそうした遺伝子がないことにホッとすると共に、そうした事実が分かった時には自分だったらどう対応するだろうかと考えてしまいました。
ラストをどう決着つけるのか気になりましたが、娘たちに優しく扱われている状況が描かれホッとしました。
「明日の記憶」の様に一人入院を決断するのではなく、この物語の途中にあるような自殺という様な決着でなくて良かったと思います。
いずれにしても、認知症は他人ごとではない問題です。
本人も大変だし、周りも大変です。
示唆の多い作品でした。
2015年6月10日に日本でレビュー済み
著者は神経科学の専門家であり、米国アルツハイマー協会のコラムニストでもある。本書は認知症当事者の人々と著者との多くの対話を経て生まれたという。だからなのだろう。認知症と診断された人の感じるとまどい・不安・混乱・家族や社会との関係が、リアリティをもって迫ってくる。
本書はハーバードの大学教授であるアリスの視点から一人称で描かれている。物語は時間軸に沿って進み、描かれている病状の進行は早い。
認知症となんらかの関わりのある人にとって読むのが辛くないと言えば嘘になるだろう。救いは、辛さにうちひしがれるばかりの前半に対し、後半で娘との和解や新しい命による喜びなどがも描かれている点だ。
本書は諸刃の剣だ。本書で描かれる当事者からの視点は、本人の気持ちをないがしろにしがちな家族や社会の言葉や態度を、鋭く読者に突きつけてくる。我々の社会が、この病気を十分に受け入れ切れていないことを厳しく告発する。社会的な意義も価値も高い。一方で、もしこの本が表面的に受け取られれば、認知症に対する負の感情が増幅され、社会は著者や本書の主人公が望んだ方向とは真逆の方向へと向かってしまうかもしれない。痛みを伝えることの難しさがそこにある。
また、本書の記述が正確であるほど、リアリティがあるほど、それもまた部分にすぎないという事実が見えにくくなる。認知症は、特定の疾患をあらわす言葉ではない。本書で描かれた遺伝的な要因による若年性のアルツハイマー型認知症もあれば、その他の疾患によるものもある。症状も様々だし、本人が感じる困惑も様々だ。
そこに本書の難しさがある。純粋な小説であれば、一般化のリスクを怖れる必要はない。それはひとつの物語なのだから。本書もまたそう受け止めて読むべきものだ。これは、ひとりの主人公、アリスの物語なのだ。だからこそ、本書のもっとも重要なメッセージはその表題にあるといえる。本書は、冒頭から終わりまでアリスがアリスでありつづけていることを記した小説なのだ。「アリスのままで」(Still Alice)というタイトルは、認知症を社会が受け入れる上でもっとも重要なメッセージとなる。病気である限り、辛いことは無限にある。しかし、アリスがアリスであることに変わりはない。本書をもし「私」の物語として読むならば、「私」がいまも「私」であることを描いた小説だといえる。
私が私であるとはどういうことなのか?その問いは、認知症のコンテクストを外しても、ある種の「答えのない質問」だ。しかし、感情的にはとてもシンプルだ。私は私であり、それを自然な状態として感じている。その感情はごく普通の当たり前の感覚といえる。それを問われてしまうこと自体が、そしてそのことを不安に感じること自体が心の負担だ。
厚生労働省は、国内の65歳以上の高齢者のうち認知症の人の数が2025年に700万人を越えるという。前期認知障害を持つ人まで含めれば、おそらくその人数は1200万人という規模になるだろう。認知症は極めて今日的な意味を持つ日本社会の課題である。我々はその事実を十分にはまだ受け入れていない。認知症とともに生きることは、どこかの誰かの物語ではない。この本を手に取るすべての人にとっての「私」の物語なのだ。
10年後、日本の65歳以上の高齢者のうち認知症の人の数が700万人を越えるという。高齢者の5人にひとりという割合だ。我々が「我々」の物語のあり方をまだ十分には捉えられていない。
本書はハーバードの大学教授であるアリスの視点から一人称で描かれている。物語は時間軸に沿って進み、描かれている病状の進行は早い。
認知症となんらかの関わりのある人にとって読むのが辛くないと言えば嘘になるだろう。救いは、辛さにうちひしがれるばかりの前半に対し、後半で娘との和解や新しい命による喜びなどがも描かれている点だ。
本書は諸刃の剣だ。本書で描かれる当事者からの視点は、本人の気持ちをないがしろにしがちな家族や社会の言葉や態度を、鋭く読者に突きつけてくる。我々の社会が、この病気を十分に受け入れ切れていないことを厳しく告発する。社会的な意義も価値も高い。一方で、もしこの本が表面的に受け取られれば、認知症に対する負の感情が増幅され、社会は著者や本書の主人公が望んだ方向とは真逆の方向へと向かってしまうかもしれない。痛みを伝えることの難しさがそこにある。
また、本書の記述が正確であるほど、リアリティがあるほど、それもまた部分にすぎないという事実が見えにくくなる。認知症は、特定の疾患をあらわす言葉ではない。本書で描かれた遺伝的な要因による若年性のアルツハイマー型認知症もあれば、その他の疾患によるものもある。症状も様々だし、本人が感じる困惑も様々だ。
そこに本書の難しさがある。純粋な小説であれば、一般化のリスクを怖れる必要はない。それはひとつの物語なのだから。本書もまたそう受け止めて読むべきものだ。これは、ひとりの主人公、アリスの物語なのだ。だからこそ、本書のもっとも重要なメッセージはその表題にあるといえる。本書は、冒頭から終わりまでアリスがアリスでありつづけていることを記した小説なのだ。「アリスのままで」(Still Alice)というタイトルは、認知症を社会が受け入れる上でもっとも重要なメッセージとなる。病気である限り、辛いことは無限にある。しかし、アリスがアリスであることに変わりはない。本書をもし「私」の物語として読むならば、「私」がいまも「私」であることを描いた小説だといえる。
私が私であるとはどういうことなのか?その問いは、認知症のコンテクストを外しても、ある種の「答えのない質問」だ。しかし、感情的にはとてもシンプルだ。私は私であり、それを自然な状態として感じている。その感情はごく普通の当たり前の感覚といえる。それを問われてしまうこと自体が、そしてそのことを不安に感じること自体が心の負担だ。
厚生労働省は、国内の65歳以上の高齢者のうち認知症の人の数が2025年に700万人を越えるという。前期認知障害を持つ人まで含めれば、おそらくその人数は1200万人という規模になるだろう。認知症は極めて今日的な意味を持つ日本社会の課題である。我々はその事実を十分にはまだ受け入れていない。認知症とともに生きることは、どこかの誰かの物語ではない。この本を手に取るすべての人にとっての「私」の物語なのだ。
10年後、日本の65歳以上の高齢者のうち認知症の人の数が700万人を越えるという。高齢者の5人にひとりという割合だ。我々が「我々」の物語のあり方をまだ十分には捉えられていない。
2018年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作はイイのかもしれませんが訳がしっくりこないので期待外れでした