骨折の辛さは痛さのみにあらず

 骨折したことのないみなさん、
骨折はギブスをして骨がつながったら終わりだと思っていませんか?

 実は私もそう思っていました・・・が違うのです。
私は『骨折』というものが人物であるならば相手取ってやりたいくらいです。

 まず、翌日出勤すると「え!!どうしたん!!?」や
「大丈夫?」などギブスに三角巾の私を見てみんなが言って来ます。
最初はいいのです。でも何度も何度も言われると
なにやらてれくさくなってきます。めんどくさくもあります。
 三角巾は想像よりも首と肩に負担がかかりました。
痛くて痛くてパンパン。1週間はちょっとしたことでビキビキッと
痛みが走ってたまらないのではずせませんが、10日くらい過ぎて速攻
三角巾に別れを告げました。

 お風呂も大変。左腕にゴミ袋をかぶせ、ヘアゴム4本くらいで
とめて入りました。すべて右手だけで洗う。そうすると右の背中や肩、
脇は洗えません。オフロイスに座った状態で右足ひざ上あたりに
タオルを乗せ、肩などをなすりつけるように洗っていました。
メイク落としも洗顔も、何もかも右中心の生活。1週間で左右の
腕筋肉の差が歴然としてました。全裸でポパイのように
力こぶをつくろうとすると右腕はたくましいのに対して
左腕はしーんとしています。何の盛り上がりもありません。
オジイチャンの腕、と比喩するのが一番わかりやすいです。
両親・弟・友人にもさわり比べてもらいましたが、
あまりの差に笑いながら驚くという反応が1人の例外もなく見られました。

 そして同じ頃、湯船に使ったり体が熱くなってくると
ギブスの下の皮膚が針でちくちく・ちくちくとされているような
痛み・かゆみが同居する感覚が襲ってきます。
1ケ月後にギブスを取って判明したのですが、思いっきり赤く
かぶれていました。無数の赤いてんてんが私の腕にありました。

 痒いのにとっても痒くて辛いのに掻けない地獄。
痒くて痒くて辛抱ならないのです。でも細い棒も届かない。
第一間接からひじ上までがっちりガードされていましたので・・・
そしてとても重い。寝苦しくて寝苦しくてしばらくちゃんと寝れませんでした。
重いので左を下に寝るしかなく、体のゆがみが、体のゆがみが、と
精神的苦痛も強いられました。

 でも何より私が悩んだのは臭い・・・
だんだん自分の手のひらから足の裏のような香りが漂ってきます。
手の届く範囲は一生懸命に洗っているのに、どうしても抗えないのです。
その臭いは日を追うごとに熟成されてきます。消毒液をつけた
コットンでふきとると黄色い皮膚がのぞーっと出てきます。
でも香りは一向に薄まる気配もありません。
だんだん足のような香りから納豆的なものへと発展を遂げます。
とくに鼻の近くに手を持ってきてクンクンしなくても
ふぁっと自分の前に手が作った風が吹くと「げっ!!」となります。
そよ風のようなそのやさしい風は納豆のにおいです。
あけたばかりでなく、箸でこねてこねてこねつくした芳しいアレです。

 誰も多分気づかないけれど、自覚してしまっていると
寝てもさめてもそればかりが気になりました。

 1/6に手のある部分が痛くて痛くてしかたなく、
見えない恐怖から病院へ行きました。予定より2日早く
ギブスをはずしました。自分の腕とは信じがたいものでした。

 じゃがいもが古くなると表面の皮がしわしわになりますよね?
あんな感じで、皮膚もめくれているところがあったり、
上記の赤いてんてんが無数にあったり。左右比べると
同一人物の腕とは思えない。そしてくさい。
ガリガリだし。

 なにより筋肉が衰えきっていて
自分の腕をささえきれないのか、骨折じゃない痛みがものすごい。
私は治りが遅いようで、そのギブスの長さを少し短くし、
下半分だけを今は包帯で固定している状態。
お風呂の時のみはずしてよい。
 でも本当にいたい。何もしていなくてもいたい。
でも、上下の動きは耐えれるけど、横の動きをしようとすると
激痛がはしる。


途中 だけど
お母様にお風呂にはいりなさいっておこられちった♪
あとでまた追記しよーーっと。

追記(3/1)
 その痛みも未だに無くならない。
ギブスはとっくにとれたけど、しんどい。これ、後遺症じゃないよね?
一番辛いのは腕を上に反らすような形。
例えば机に腕をついて体重をかける、あの形。
痛くてできない。クセでしそうになるけど、痛くて
「いたっ!!」となってできない。
はあ。。。骨折しないようにきをつけなきゃ・・・