とある魔術の禁書目録SS

とある魔術の禁書目録SS (電撃文庫 か 12-14)
とある魔術の禁書目録SS (電撃文庫 か 12-14)鎌池 和馬

メディアワークス 2007-07
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おすすめ平均 star
starSSだけどSSじゃない
star短編集と思って先に読むとネタばれします
star今巻では「一方通行」が目立つ!

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ストーリー

園都市とローマ正教との間で起きると言われている「戦争」の気配を感じ始めている学園都市の生徒たち。もちろんその中には上条当麻とインデックスらが含まれていた。しかし実は緊張感に欠ける当麻たち。お気楽にもクラスメイト達と鍋大会などをやっていたりするのだけど、きな臭い匂いは都市のなかからも漂ってきていた。
当麻と一方通行を主役に据えて学園都市の「今」を描き出す作品です。

取りあえずこれは言いたい

正直言ってタイトルが「SS」になっている意味が分かりません。14巻でいいじゃん
時間軸を遡ったり、今までクローズアップされた事のあまりないキャラクターを主役に据えたりする短編集かと思って正直期待していたんですが、時間は最新刊の後だけの話ですし、全ての話が基本的に繋がってしまっているし、次の話に向けての種まきの話としか思えなかったですね。
表紙裏のあらすじには「『禁書目録』本編を補完するSSシリーズ登場!」とか書かれているんですけど、話の作りは12巻と非常に似ていて、新鮮さに欠けます。
「『SS』とついているので後回し〜」とか思って放置すると、本編の話が分からなくなるような気がしますね。

話自体は

今まで忘れられていたかのような姫神がイラストになっていたり、台詞があったりしていかにも番外編って感じもしなくもないんです。・・・まあそれで番外編と思われてしまうというのも悲しい話ですが・・・。
しかし番外編と言えないような展開が目白押しでして、裏側に堕ちた一方通行の活躍や、そこで新たに生まれている人間関係などは本編を読む上で必見の内容だと思います。さらに加えて短編の間で話が繋がってしまっているため「短編の集合」というよりは「長編を適当にぶった切って短編と言い張った」という匂いが強い作品です。・・・やっぱり「SS」ってタイトルに振っている意味が分からないです。
こういう適当な事やられるとちょっとイヤなキモチがしますね。
タイトルを「SS」としたからには、「補完する」とかあらすじで書いたならば、ちゃんと腰を据えてしっかりと番外編として取り組んで欲しいです。短編以上、長編未満の中途半端な印象しか受けませんでした

総合

星2つ。
話の内容自体は星4つつけても良いけど、適当さにムカついたので星を2つ減らしました。素直に14巻としてリリースしてくれれば良かったのに。なんでこんな中途半端な事をやったのかが分からない。その辺りを作者と編集者にはちょっと考えてもらいたいです。