11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後、戦国時代と化したイベリア半島南部アル=アンダルス。 その中で台頭してきた勢力が西のバダホス王国と東のトゥレイトゥラ(トレド)首長国。 共にベルベル語を操るムワッラド派イスラム教徒たちという共通点を持つ彼らは同盟を結び、ときに北のキリスト教徒たちと戦いつつ、アル=アンダルスにおける勢力圏を拡大していった。 やがて、1082年夏。 ついに、この両者がその覇権を巡ってぶつかる瞬間が訪れた。 傭兵を雇用し5,000超の兵を集めるトゥレイトゥラ首長ヤフヤーに対し、アフリカなどから援軍を呼んで7,000近い兵を集めたバダホス王ウマル。 最終的にカブラの地で繰り広げられ…