フランスの料理人。ヌーヴェル・キュイジーヌの旗頭であり、「厨房のダ・ビンチ」「フランス料理界の巨星」「料理界の哲学者」と呼ばれた感性の料理人。
食べた人にしか分からない消える芸術は多くの人を魅了して止まない。仕事に対して完全主義者であり、凝り性であった。また、料理することは簡単だと言い切っていた。料理への思いを具体的な形にしながら築き上げた独特の「料理哲学」は死後もなお多くの有志に引き継がれている。
1937年、フランスのリヨンに生まれ。リヨン近郊のミヨネーにあるユトリロが描いた事でも有名なミシュランの一ツ星レストラン、ラ・メール・シャルルを営んでいた父の影響から、料理人を志す。15歳で当時のリヨンの名レストラン、シェ・ジュリアンヌにて、ジャン・ヴィニャールの元で料理人の修行をはじめた。その後、後にジョエル・ロブションが活躍するヴィエンヌのラ・ピラミッドに移り、フェルナン・ポワンの元で働く。約5年の修行の後、3年間の兵役に服した。1967年、父の死によってラ・メール・シャルルを継ぎ、瞬く間に一流のレストランに育て上げ、1969年には二ツ星を獲得した。1973年には店名を自身の名アラン・シャペルに変更。三ツ星を獲得し、以来フランスのレストランで最高峰とされる。生涯、フランス料理界に偉大な功績を残した。尚、神戸のポートピアホテル最上階に1981年のホテル開業から、世界で唯一のアラン・シャペルの支店があったが、2012年3月25日に本店の経営陣交代により提携を解除、店名が変更された。