高橋健太郎 フィリーサウンドが隆盛したが故の本家PIR制作体制の瓦解 レーベル設立から3年後、MFSB feat. ザ・スリー・ディグリーズの「TSOP(The Sound of Philadelphia)」が全米チャートのNo.1を獲得した1974年がフィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)の絶頂期だった。しかし、MFSBの名の下に集まったフィラデルフィアのミュージシャンたちも、最新鋭のレコーディング環境を備えたシグマ・サウンドも、PIRの独占物ではなかった。競合レーベルが同じミュージシャン、同じスタジオを使って、ヒットレコードを作ろうとする動きも活発化していた。 PIR設立…