ナチスの退廃芸術認定を受け迫害された、孤高のドイツ人芸術家。その活動は彫刻や戯曲など多岐に渡る。
常に社会の底辺で苦しみ耐え、悲しむものの姿を刻んだ。それらの姿はみな力を持たぬ者ゆえ、生命そのものの強さが際立ち、哀れでありながらも気高く美しく、時にユーモラス。アール・ヌーボーの洗練を受けた曲線美の作品もあれば、東洋的な、地蔵にも似た風情をもつ連作もある。
欧米で巨匠と謳われ戯曲はブレヒトと並ぶが、日本においての認知度は驚く程低い。戯曲の翻訳にいたっては皆無である。
2006年には初めて本格的なバルラハ展が来日する。今後この作家が日本において再評価されることは確実である。
女流彫刻家ケーテ・コルヴィッツと友好も厚く、互いに与えた影響は大きい。