トリロジーの第2段はカントリー。クィア・カルチャー讃歌としてのハウス・ミュージックの後に、アメリカの保守を象徴するジャンルを持ってくるとは相当挑戦的に思える。「Lemonade」収録の「Daddy Lessons」へのカントリー界からの批判に対するリアクションである事は明白で、少し採り入れる程度では冷やかしだとしか受け取られないのであれば、がっつりアルバム1枚作ってやろうという心意気を感じる。但し単なるアイロニーでも挑発でもなく、南部出身のBeyoncéならではの複雑な含蓄を感じさせる。(尤もそれは2016年の時点で「Lemonade」に同梱された映像作品を観れば明白なのだが。)それどころかM…