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クルトネ

(一般)
くるとね

ボードアン・ド・クルトネ。言語学者。1845年〜1929年。
20世紀言語学の開拓者。ソシュールと並んで構造主義言語学の祖と言われる。弟子には、ソルブ語を研究したシチェルバ、タタール語のヤクビンスキー、日本語のポリワーノフなどがいる。
「あらゆる言語は混合語なり」のテーゼがある。

言語学に「カザン学派」というものがある。構造主義の先駆者ボードアン・ド・クルトネ(1845−1929)は、1875−83年の間カザン大学で教鞭を取っていた。彼はポーランドの生まれで、はるかな先祖にはその昔の十字軍戦士、エルサレムに十字軍の建てた王国のボードワン王がいた。カザンの警察にうるさく出自や縁故を聞かれ、うんざりした教授は、「I.A.ボードアン・ド・クルトネ。エルサレムの王」と記した名刺を注文したそうだ。「カザン学派」というのは、ボードアン・ド・クルトネとクルシェフスキら彼の弟子たちを指す。のちにソシュールによって明瞭な形で提示されるラングとパロール、言語の共時態と通時態、音素などの言語学概念の多くは、ボードアンが先駆的に考察していたのである。彼の弟子の一人ブリチは、「その学問にそそぐ激しい情熱、みずから一心不乱となり他人をも自己の範にならわせて夢中にさせてしまう能力。この特徴もやはりまた、天分の豊かさを証すものであり、それによって、はるかなるカザン大学の、聴講生にも数を欠く文学部において、比較的短期間のあいだに、ボードアンをかこんで・・・若き学者たちの自立した完全な一学派が誕生しえた理由も、説明がつくのである。・・・それはなんとまばゆく、若々しく、活動と科学的夢想に沸きたった時代であったことであろうか! そこにはなんと多くの生と、私心なき情熱と、ひたむきな理想主義があったことであろうか!」と回想している。
2005-07-20

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