野生の明太子 2月はほとんど明太子だった。 中旬ごろまで体調が芳しくなく、食後の風邪薬を飲んでは、部屋の真ん中で明太子のように転がり寝る日々を続けていた。身体を横にしたのならば早々に寝ればよいものを、ついついYoutubeを開いて……猫ミームにどっぷり漬かり……クソゲーの実況動画を貪り……春とヒコーキさんの動画に沈み……視神経と罪悪感が熱を帯び始めた頃にようやく眼を閉じて眠る、という、現代社会に蔓延る堕落のルーティンに陥った。 「ああ、おれは明太子と人間の合いの子なんだなあ」「しかも、お正月に出せない下等明太子だ」などと、己を揶揄り卑下り、不活性の日々に悔恨の念を重ねていた。 しかし、『着る毛…