1969年、ホンジュラスとエルサルバドルの間で行われた戦争。100時間戦争ともいわれる。
そのネーミングのためにサッカーの試合での遺恨が原因の愚かしい戦争のごとく曲解されるが、サッカーの結果のみが直接の原因とはいえない。
もともとホンジュラスとエルサルバドルの間には未確定の国境問題や、不法移民の処理問題があり、これらの外交的問題は戦争開始の理由となった。
1月、ホンジュラス政府がエルサルバドル人不法移民の滞在許可更新を停止、後に強制送還などを開始した。その際、不法移民に暴力を使って強制的に追放したため二ヶ国間に緊張が高まった。
6月、翌年に開催されるワールドカップメキシコ大会の予選準決勝がはじまる。だが、それまでホンジュラスとエルサルバドル国民の間でくすぶっていた悪感情がこの予選を契機として爆発、予選第2戦の終了後に両国は国交を断絶した。
6月27日、1勝1敗で迎えたプレーオフにおいて、3-2でエルサルバドルが勝利。予選決勝に進出した。
7月14日、エルサルバドル空軍がホンジュラス首都テグシガルパ郊外の空軍基地を攻撃、エルサルバドル陸軍も国境沿いで攻撃開始。
7月15日、ホンジュラス空軍がエルサルバドルの工業地帯を攻撃
7月17日、ホンジュラス空軍とエルサルバドル空軍が交戦し、レシプロ戦闘機同士の最後の空中戦が行われた。
同月29日、アメリカの調停によって戦闘は終結。だが、両国の関係改善にはそれから10年以上の時間がかかることになった。
前述した空中戦に関して、両国とも第二次大戦期のアメリカ払い下げの兵器を装備したために「史上初にして唯一のF4Uコルセア(戦闘機)同士の空中戦」が行われた戦争としても知られている。