林智子さんの個展「そして、世界は泥である」を見てきた。 行こうと思ったきっかけは、「そして、世界は泥である」という題名の一文に惹かれたこと。例えば”世界は光である”よりも惹かれてしまうのは、ただのわたしの癖だけれど、この一節は、イタリアの厭世主義の詩人ジャコモ・レオパルディの詩の言葉だそう。 会場である京都芸術センターは、元明倫小学校の校舎を利用したアート施設。 展示は、廊下をぐぐっと奥まで歩いた先の展示室から始まった。京都の深泥池、そしてその泥に作家が魅せられ着想を得たという本展。薄暗い展示室に、絹の薄い布、そして、泥水のはった池のようなものが展示してある。池の表面には、泥水の中にいる鉄バク…