本の海に溺れる ナゾの利用者 仮説1:家族構成 仮説2:職種 質問:出身地 エピローグ:愚痴 本の海に溺れる 私は図書館司書。 砂時計を返すように、変わり映えしない日々を型通りに生きる。 休み明けの出勤ともなれば、さばききれない量の本が待ちかまえる。 返却本、他所の図書館からの回送本、そして貸出予約待機にある本、本、本! 尋常でないのは、休館日の続く正月休みや図書整理週間の後だ。 その凄まじい量ときたら。 本の海を泳がなければ受付カウンターまでたどり着けないほど。 なぜ、うちの図書館にはモーセがいないのだろう? 本の海を真っ二つにしてくれるモーセが。 ナゾの利用者 この仕事に愛想は無用。 金太…