パルタイ (新潮文庫) 作者:由美子, 倉橋 新潮社 Amazon 『パルタイ』倉橋由美子著を読み直す。 大学生の時、好きな作家は、女性では、金井美恵子と森茉莉、そして倉橋由美子だった。この作品集、読んでいたはずなのに、まったく読めていなかった。でも、それだけじゃなくて、1960年代に書かれた作品が、なんかいまの時代の風潮にもシンクロしているのだ。 アンチロマンなどのスタイルを巧みに換骨奪胎してリアリズムを徹底的に排除した世界を描いている。不条理かつ寓話のような。でも、教訓めいたものなどは微塵もなく。 『パルタイ』わたし(女性)はパルタイへ参加するため、あなた(男性)から経歴書の書き方を助言さ…