学校が明確な罰則規定を定めた行動規範を生徒・保護者に示し、破った生徒にはただちに責任を取らせる生徒指導の方法。
ルールを破った生徒には、容赦ない罰則を与える。
一九九七年、クリントン大統領(当時)が全米に呼びかけ浸透させた。
それまで教育現場で支配的だった、生徒の事情をよく聴き、生徒理解に重点を置いて指導する「ガイダンス」と呼ばれる手法とは一線を画し、絶対に許容しない厳格さで臨む。
アメリカでは、この方法を用いて、荒廃した学校の再建に成功した例が挙げられている。
「ゼロトレランス」とは、もともと、「不良品を許容しない」という産業界の考えだったが、「子供を不良品にしてはいけない」という意味で、その考えが応用された。
ゼロトレランスのポリシーは基本的に以下の3つである。
全米の94%の学校が銃に対するポリシーを取り入れており、銃以外の武器に関してポリシーを導入しているのは91%。
87%の学校がアルコール、88%の学校が薬物に対するポリシー、79%の学校がそれぞれ暴力とタバコに関するポリシーを適用している。
これらのルールは基本的に例外を認めていないが、常識を用いて対応すると言うという考え方が広まっており、その判断のプロセスが教育にも繋がるという見方がある。
しかし、アメリカでは教育界が過敏になっていると言う事も否定できなく、厳しすぎるガイドラインのために、暴力や薬物とまったく無関係の子供たちが、本人の自覚もないまま処罰を受けているケースも少なくない。