ソロー残差。
技術革新は直接計測できない。 直接計測できないのなら、 間接的に計測してみましょう!と言うのがソロー残差。
詳しくは以下の説明を参照。
http://cruel.org/econthought/profiles/griliches.html
ソロー残差をめぐるものだ。ものの生産力をあげるには、労働やその他材料を増やすか、投入する資本 (機械) を増やすか、あるいは技術革新によって効率をあげるかだ。このうち技術革新は直接は計測できないけれど、ほかのものの増分を生産量の増分から差し引けば、残ったのが技術革新の分だ――これがロバート・ソロー (1957) のアイデアだ。ソローはこの考え方をもとに、戦後アメリカの産業力はほとんど (87.5%!) が技術革新によるものだ、と主張した。これに対して、それはあまりにバカげていてお話にならない、という反論がミルトン・フリードマン等から出ていた。グリリカス (1963)、グリリカスとジョルゲンソン (1967) はこれをきちんと分析しなおし、投入資本や労働の質の改善まできちんと考慮に入れると、実は残差はほとんどない、という結果を出してしまった。その後デニソン (1969) の批判に基づき再計算が行われ、やっぱり残差はそこそこある、という見直しは出ている (1972)。
http://www.ichigobbs.net/cgi/15bbs/economy/0008/
ソロー残差
01: すりらんか 2000/08/21(Mon) 04:50
2編の議論をココで続けましょうソロー残差は生産の成長から投入の成長を差し引いて残ったもの
が技術成長をあらわすというアイデアなのですが,そうして求め
られる残差はいろいろな者が混じっているのが実状.源泉として
考えられるのは,
1 生産関数のシフト=技術成長
2 独占力(Hall 1988 JPE)
3 収穫逓増
4 外部経済
5 目に見えない稼働率・労働強度(Basu 1996 QJE)
6 統計誤差(Griliches先生一生のテーマ)
このうち1によるものがソロー残差のどの程度を占めているのか
は謎です.ほとんどないという意見もあるGrilichesはその代表.
わたしもGrilichesに近い意見.とくに各国の統計誤差がソロー
残差に大きく効いている以上,それを一国のタイムシリーズでみ
るならともかく,クロスで較べるなんて馬鹿な話だ.さらに誤差
・稼働率がソロー残差を大きく左右する場合,年度ごとのソロー
残差の大小をみて一喜一憂するのは笑止千万.10年・20年の
タイムシリーズを較べるならば多少の意味はあるが……これって
ソローの元論文ではちゃんと指摘されていることなんだけどね.