ミシェル・タピエ(1909ー87年) フランスの美術批評家。1948年、ブルトン、ジャン・ポーランと「生の芸術(アール・ブリユット)商会」を設立し、大戦直後から画家のデュビュッフェが実践していた「生の芸術」(幼児、精神疾患者、アマチュアの作品)の収集活動を推進する。それと平行して、デュビュッフェ、ヴォルス、フォートリエら大戦後の前衛的な非具象絵画を「アンフォルメル(非定形)」芸術と命名し、この運動の推進者にして中心的理論家として活動。また、サム・フランシスやアンリ・ミショー、フォンタナ、日本の具体派等も積極的に評価した。著書にアンフォルメルのマニュフェストである『もう一つの芸術』(1952年)がある。アンフォルメルの代表的画家ジョルジュ・マチューが熱狂的な教権主義右翼だったため、それを支持するタピエ派もシチュアシオニストは「バチカンの秘密諜報員」、「イエズス会士」などと呼んでいるのだろう。