ギリシア・ローマ神話で語られた物語は、半ば真実の話だったのではないか。 巨人族がいて、神々がいる。神の父ゼウスがいて、美の女神ヴィーナスがいる。彼らが実際に存在していて、小さな人間を狩り集めている。そんな世界が本当にあったのではないか。時間が経ち、想像上の話が加えられたが、基本的には巨人族が「神々」として世界に君臨していたに違いない。人間は小さく弱く、「神々」には逆らえない。ただ指図に従うだけの存在であり、その肉や血を「神」に与えるために存在していたのではないか。 ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ 「ヴィーナスとヴァルカン」 1765年 フィラデルフィア美術館 二人の息子ともども画家であ…