癸卯年六月初二。気温摂氏24.5/30.0度。曇。摂氏30度で「今日はあまり暑くない」と思ふとは。梅雨はまだ明けず。林芙美子『愉快なる地図 - 台湾・樺太・パリへ』(中公文庫)読む。 これを読んだのは楊双子『台湾鉄道漫遊のふたり』がキッカケ。その主人公のモデルが林芙美子なのだらう。大正末期に尾道から上京した芙美子は新宿旭町の木賃宿に旅居で執筆活動を開始。若手の女性作家として注目を浴びるやうになり毎日新聞の企画で昭和5年に渡つた台湾への旅に始まり満洲へ、そして『放浪記』で得た印税で昭和6年にシベリア鉄道で赤露を経て欧州の巴里までの一人旅。その筆致は今読んでも全く色褪せてゐない。台湾では台北の大稲…