【『カラマーゾフの兄弟』に関する基礎的なノート】 『罪と罰』(1866)や『白痴』(1868)や『悪霊』(1871)を書いたロシアの文豪フョードル・ミハイロヴィチ(=ミハイルの息子)・ドストエフスキー(1821-1881)の最後の長編小説が『カラマーゾフの兄弟』(1880)である。作家の村上春樹の『海辺のカフカ』などにおけるそれをはじめとして、この『カラマーゾフの兄弟』に強烈な影響を受けた作家は数えきれない。『カラマーゾフの兄弟』は、複雑な4部構成(第1部が1〜3編、第2部が4〜6編、第3部が7〜9編、第4部が10〜12編)の長大な作品であり、この作品の「序文」によれば、続編が考えられていたら…