私は中学までは主に歴史小説を読んでいたのですが、高校に上がって、いわゆる純文学小説を読むようになりました。 それは、教科書に載っていた中島敦「山月記」や太宰治「富嶽百景」に触れたからというのもあります。 それ以降は書店で自ら本を選び自分の知らなかった世界や自分の持っていない感性を新鮮に読むようになりました。 並行して歴史物も読んではいましたが。 そんな一種の原初の読書体験を思い出しているうち、「山月記」を教科書掲載文も合わせて四回目ほどの再読をしてみたくなりました。 文庫本ですと12ページほどの長さです。 約二十年ぶりに、どう読めたか、感じたか、考えたことなどを記してみたいと思います。 中島敦…