ファビオ・ビオンディ(FABIO BIONDI、1961〜)
シチリア島のパレルモ出身のイタリアの(主に)バロック・ヴァイオリン奏者、指揮者。中でもヴィヴァルディ作品の演奏には定評がある。
12歳でイタリア放送交響楽団と共演、16歳でリサイタルを開く。15歳でアーノンクール指揮の「マタイ受難曲」に触れて、古楽演奏にめざめたというが、20歳の1981年では「スタンダール・クァルテット」を組織して、イタリアの現代音楽を演奏するかたわらで、ムジカ・アンティクァ・ケルンや、ヘレヴェッヘのシャペル・ロワイヤルなどにも出演。その後、1989年に古楽オーケストラ「エウローパ・ガランテ」を結成し、新レーベル「オーパス111」でレコーディングを開始する。ここでは、ヴィヴァルディなどの古楽にくわえて、プロコフィエフの無伴奏ソナタや、イタリアの現代音楽のCDをモダン・ヴァイオリンの演奏で録音した。
指揮者としての活動も近年は始めており、ヘンデルのオペラや、カルダーラのオラトリオなどを含めイタリアの現代では、あまり知名度の高くない作曲家の作品に至るまでの幅広いレパートリーを誇る音楽家である。