ブレベトキシンは神経性貝毒に分類される神経毒.有毒渦鞭毛藻の Karenia brevis が生合成し,カキなどの貝類に蓄積される.
神経細胞の電位依存性ナトリウムチャネルに特異的に結合し,活性化を促すことで正常な神経伝達を阻害する.
多数のエーテル環が連結した環状ポリエーテル構造を持ち,構造が複雑なため天然物全合成のターゲットとされてきた生理活性天然物分子のひとつである.
ブレベトキシンBは1995年にNicolaouのグループ,2004年に中田先生のグループによりそれぞれ全合成が達成された.また,ブレベトキシンAも1998年にNicolaouのグループにより全合成が達成された.