1992年3月、土曜美術社から刊行された日高滋(1934~)の第3詩集。装画は大嶋彰。著者は大阪市生まれ、刊行時の住所は京都市右京区太秦。 旧刊の詩集『紙人』は、一九八一年に檸檬社から刊行され、その前半部には「虚体確認」シリーズの23篇が入り、後半部の「紙人」シリーズ6篇と対になっていた。が、作者としては後半部だけを独立させ、現代人の一つの典型像としてのペーパーマンの紙生活を、より鮮明に提示したいと願っていた。 このたび「WHO'S」同人諸兄姉や土曜美術社編集部丸地守氏のすすめで、その後の新作9篇を加えてまとめてみると、時代の波風にあおられ身内からもあぶられ、あたふたする人間の、紙噛みするよう…