1944年にリスボンに生まれたポルトガルの女流ピアニスト。 幼少の頃から天才的な才能を発揮したと伝えられる。 1970年にブリュッセルで開催されたベートーヴェン生誕200年記念コンクールで優勝を果たして以来、国際的な演奏活動を繰り広げている。 透明な音色とシャープで端整な表現力を持ち味とする。 特にモーツァルト弾きとして格別の評価を得ている。
フランスという国は今でも多くの人にとり魅力的なのだろうか。藤田嗣治や高田賢三など同地で名声を得た日本人も多い。パリコレのランウェイを歩くことはモデルにとり最高の名誉だろうしコンセルヴァトワールは音楽を志すものにとり憧れだ。料理の世界でもシェフ、パティシェ、ショコラティエ、ソムリエ、目指す人にとりやはり憧憬だろう。挙げだしたらきりがない。 幸いにそんな地に5年弱住む機会があった。転勤先の現地法人にMさんという女性が居らした。秋田生まれの小柄な方だった。駐在員ではなく現地採用の方だった。 長く日本を離れているのだろう、彼女のフランス語は現地人に言わせると日本語訛りだ、という事だったが自分には流暢に…
マリア・ジョアン・ピレシュ(1944-)というポルトガル出身の女性ピアニストがいる。もう引退したが、29歳だった1974年に日本のDENONレーベルにモーツァルトのピアノソナタ全集をPCM録音したため、1970年代にNHK-FMで彼女の弾くモーツァルトがよくかかったのを覚えている。その頃は「マリア・ジョアオ・ピリス」と表記されていた。私は先年、ピレシュが1970〜80年代にフランスのエラートレーベルに録音した17枚組のCDを安売りで買った。内訳はバッハの協奏曲1枚、モーツァルトの協奏曲6枚とソナタ1枚、ベートーヴェンのソナタ2枚、シューベルトのソナタ2枚と連弾曲1枚、ショパンの協奏曲1枚と前奏…