ラングーン事件(英: Rangoon bombing)は、1983年に発生した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作員により、ビルマ(現在のミャンマー)を訪問中であった大韓民国(韓国)の全斗煥大統領一行の暗殺を狙って引き起こされた爆弾テロ事件のことである。
1983年10月にラングーン(現ヤンゴン)のアウンサン廟(びょう)で起きた全斗煥・韓国大統領(当時)一行を狙った爆弾テロ。全大統領は現場到着前だったが、韓国の閣僚や高官、ミャンマーの政府関係者ら計21人が死亡。ミャンマー政府は北朝鮮工作員による犯行と断定し、国交を断絶した。
1988年のソウルオリンピック開催を目指していた韓国は、北朝鮮と親密だった非同盟中立諸国に閣僚を派遣し、韓国でのオリンピック開催や、その際の参加を熱心に説得に回っていた。その一連の歴訪は、最悪の場合は北朝鮮を外交的に孤立させてしまうものであり、金日成主席を非常に苛立たせていた。