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ヴィンデルバント

(読書)
びぃんでるばんと

 Wilhelm Windelband(1848-1915)
 
 十九世紀後半から二十世紀初頭にかけてドイツの哲学界を席捲した新カント学派のひとつ、西南ドイツ学派の学祖となった哲学者。
 
 医学と自然科学を学んだのち歴史と哲学を学び、この間クーノ・フィッシャーやヘルマン・ロッツェなどの指導を受け、一八七〇年にはロッツェに学位論文『偶然論』を提出して学位を所得。この後、優れた哲学史家であったフィッシャーの流れを汲み、『近世哲学史』『古代哲学史』『哲学史教本』などの優れた哲学史を残すとともに、カント哲学の地盤に立つ価値概念の創始者であったロッツェの影響のもと、価値や規範の妥当性のアプリオリテートと心理学的な生得性の区別を強く主張。またこの価値哲学の観点に基づき、全称的・必然的判断(das generelle, apodiktische Urteil)を目指し、法則定立的(nomothetisch)な思惟に基づく、自然科学に代表される法則科学(Gesetzeswissenschaft)に対し、単称的・確然的命題(der singulare, assertorische Satz)を目的とし、個性記述的(idiographisch)な性格を有する、歴史科学を筆頭とする事件科学(Ereigniswissenschaft)を区別することにより、後者の方法論的な独自性を指摘し、人文科学の基礎づけの問題をめぐって続く世代の哲学者たちに大きな影響を与えた。

 主著に、主要な論文や講演を集めた『プレルディエン(序曲)』のほか、晩年の『論理学の原理』や『哲学概論』などがある。

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