Tim O'Brienはベトナム戦争退役軍人作家(というジャンルがあるとすれば)の内で最も成功した作家である。ベトナム戦争を題材にしたThe Things They CarriedやGoing after Cacciatoといった傑作のほかに、Nuclear AgeやIn the Lake of the Woodsといった、ベトナム戦争には直接関係しない名作も書いている。個人的にもアメリカ文学で一二を争うくらい大好きな作家で、それゆえにJuly, July以降まったく新作が出ていなかったのを非常に残念に思っていた。おそらくベトナム戦争のトラウマがある程度解消されて、書くことへの執着を失ったのだ…