60年代後半に一大ブームを起こした「グループサウンズ」とは何だったのかを解き明かす意欲作。グループサウンズ文化論 - なぜビートルズになれなかったのか (単行本)作者:稲増 龍夫中央公論新社Amazonただし「文化論」とあるが、紙幅の大半は岸部一徳、近田春夫、宇崎竜童、すぎやまこういち、コシノジュンコらとの対談に費やされていて、終章に30ページ足らずの論考が載っているにとどまる。それでも対談でグループサウンズの実相を明らかにしていこうとするアプローチは正攻法だし、新しい発見もいくつかあった。例えば80年代のチェッカーズやジューシィ・フルーツがGSの延長上にあるという指摘はなるほどと思った。個人…