遠藤正敬氏の犬神家の戸籍を読んだ。言わずと知れた横溝正史の犬神家の一族をネタ元にして、戸籍制度について論じた本だ。犬神家の一族はフィクションであり、横溝正史がどこまで法律の知識を持っていたかはわからないので、厳密に突っ込みを入れるのも野暮ではあるが、事件が起こったのが旧民法の時代の戸籍制度が残っている時代設定ならば、確かに財産のみならず、家督相続という事もきちんと述べておく必要があったっという事はよくわかった。今の時代からすると家督相続という言葉は聞いたことがあっても、実際それが意味するところは何なのかというのはあまり考えたこともなかったので、なるほどと思った。当時は何よりも家の存続が重要であ…