イラスト・廣戸美香 日本の最高裁は安全保障政策など政治に深く関わる問題について、違憲かどうかの憲法判断に消極的だと言われてきました。「憲法の番人」としてふさわしい姿なのか、考えました。 ■政府と一体化、判断消極的 伊藤真さん(弁護士) 最高裁は、人権保障の役割を果たしてくれるようになっていると感じています。弁護団の一人として関わった、映画「宮本から君へ」の助成金不交付決定取り消し訴訟でも、表現の自由の問題として踏み込んだ判断をしてくれました。 ところが、政治や統治機構にかかわる問題に関しては一転して、憲法判断も違憲判断も消極的です。これが同じ裁判所なのだろうか、と感じるほどです。まるで政治と一…