欧文通話表 - phonetic code, phonetic alphabet
電話通信をおこなう際、通話文内の文字を特に正確に伝えたい時に使われる26個の英単語。
以下に示すのは国際民間航空条約に基づく一般的な欧文通話表だが、このほかにローカルな通話表も多数存在する。要は、その単語が持つ頭文字が正しく伝えることが目的なので、必ずしも下の単語を用いなければならないわけではない。
"Nice to meet you, John. My name is Saito. Go ahead."
"Roger that, Jaito. Nice to met you, too."
"No, no, no. My name is Saito, Sierra, Alpha, India, Tango, Oscar, Saito. The top letter of my name is not Juliett, but S for Sierra. Saito. You copy?"
"I think I have you now. S-A-I-T-O, Saito. Is that correct?"
"Correct. Good copy. Thank you."
無線通信が電話で行われる以前は、モールス符号を使った電信で通信が行われていました。
モールス符号を使って話し言葉をそのまま再現することは可能です。たとえば、「了解しました」を意味する"Copy that"は、"ツートツート、ツーツーツー、トツーツート、ツートツーツー。ツー、トトトト、トツー、ツー"になります。これでは長すぎて不便なので、頻繁にやりとりするセンテンスを短い文字配列に指定した略語が使われるようになりました。「了解しました」を意味する略語は"R(トツート)"です。
世界に先駆けて電話無線を実用化したのがアメリカ軍でした。米軍独自の欧文通話表では"R"を代表する単語として"Roger"という男の子の名前を採用していましたが、電話通信が始まったときにも、無線略語の"R"をそのままフォネティックコードに置き換えて「了解しました」の意味で使いはじめたのです。これを傍受した世界中の兵隊が、これを真似るようになり、「ラジャー=了解」が一般化して行きました。これを普及させたのがもし英軍だったら、"Roger"は「ロジャー」になったかもしれませんが、このようなわけで、「了解しました」を意味する"Roger"は今でも「ラジャー」なのです。