仏教学者清水俊史の著作『上座部仏教における聖典論の研究』に対する出版妨害事件を含むアカハラ問題で一部の注目を集めた、パーリ仏教(スリランカの上座部大寺派)の大注釈家ブッダゴーサ(5世紀頃)*1の位置づけを巡る馬場紀寿と清水俊史の論争について、佐々木閑が評論を公表しているのに気が付いた。 「ブッダゴーサの歴史的位置づけをめぐる馬場紀寿氏と清水俊史氏の論争」というのがそれで、第1部の序言でアカハラ問題について触れ、論争の中身については第2部にまとめられている*2。 自分は素人ながら仏教の歴史については興味を持ってきたので、この佐々木の評論を読む以前に、清水の「パーリ上座部における「小部」の成立と受…