日本輸送機に中卒の社員が入ったのは私が最後ではあるまいかとおもう。伝手が良かったとはいえこんな大企業に入れたことはラッキーなことだったのかもしれない。 しかし、私は巨大な組織の中で、小さな歯車となって生きたくはない。もっと夢を大きく持ちたい、自分の意志で生き抜きたいとおもう気持ちが大きくなっていた矢先の母の言葉だったのだ。 神足での約半年間に、さまざまな出会いがあったし、それぞれによき出会いでもあった。けれど、結局は母を苦しめた半年間だったと気が付いたのだ、私は自分の願望で母を求め続けた。 そして偶然というか、弾みと言おうか、事の勢いで母と再会できたが、母の生活の場に土足で踏み込んだ形となって…