堀禎一『夏の娘たち ひめごと』(2017)。奇妙な映画である。ほぼ臨死の状態にある父の病室から映画ははじまるが、しばらくして通夜の場面、軒先で故人を偲ぶおやじふたりのもとに、親戚および友人(?)一同が続々と画面外から集まってき、8人ぐらいがひとつの画面内で「懐かしい」をあたためあうような談笑をおこなうシーンの長さやそもそもの絵面、そのやりとりの感じにかなりの特異さを感じる。これは、何度かあらわれるやたらガクガクするズームアップや、言いまちがい・言いよどみがそのままOKテイクにのこされているような台詞回し、カットとカットのあいだですさまじい断絶(決定的な出来事を描かない!)を起こすといった、さま…