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The Ants
2005年蓮ユニバース製作
2006年7月22日公開
上映時間 101分
カラー、35mm、ヴィスタ
ドキュメンタリー作品
怒りと悲しみと
私を殺人者に変えた
あの戦争とはいったい何だったのか?
踏まれてたまるか!
このままでは死んでも死にきれない
第二次世界大戦の終結後も武装解除を受けることなく、中国の山中に残留した日本軍兵士が約2600人いた。彼らはその後4年にわたって中国の内戦を戦わされ、戦闘中に550人もの命が喪われた。生き残った者はさらに数年の捕虜生活などを経て帰国したが、すでに軍籍を抜かれており軍人恩給の支給はなされなかった。
奥村和一(撮影当時80歳)は中国残留兵のうちの一人だ。2001年に戦友ら13人と軍人恩給の支給を求める裁判を起こし(2005年最高裁上告棄却、再審請求準備中)、今も裁判資料を求めて中国を訪れる。この作品で池谷薫監督とともに中国を訪れた際には、今から60年前、初年兵教育の命令の下に、彼が初めて中国人を殺めた現場に立った。また、日本軍の暴行を受けた中国人女性とも戦争を語り合った。
なお、「蟻の兵隊」は、奥村氏らが山西残留体験を綴った手記のタイトルにちなんで付けられたもの。
この世界史上でも類をみない日本軍残留問題について国は、軍の命令で残ったのではなく、兵士が日本軍から逃亡し国民党に走ったという見解を示した。一審、二審判決では国の主張が全面的に認められた形となり、その後、最高裁への上告も棄却された。原告団は今後、再審請求を起こす道を探っていくことになる。それには、軍の命令であったという新たな証拠が必要とされている。
試写を観た池谷薫監督のサポーターたちが中心となり、2006年3月4日に発足。「蟻の兵隊」をより多くの人に観てほしいという思いを実現するため、2006年夏の公開までは、主にチケットの販売促進と宣伝、PRに努めてきた。全国で予定されている自主上映企画のサポートにも取り組む。「蟻の兵隊を観る会」blog http://blog.livedoor.jp/the_ants/
ドキュメンタリー、第二次世界大戦、日中戦争、自主上映