「日本では昔は文系の博士号を出さなかった」というようなことを言う人がいる。これが「あまり」がついたり、「若い人には」がついたりすればいいが、「まず」「まったく」とか、「若い人にはまったく」とかつくと、それはデマである。実際には1924年以来多くの文学博士号が出ていて、中には30代の人もいる。そこでデマを防ぐために主な博士号取得者をあげておく。西洋文学系の場合、1960年ころからとらないことが増えるが、それは本国でとるほうが価値が高いと思われるようになったからだが、それにしては東大英文科の状況はひどく、中野好夫、西川正身、大橋健三郎、平井正穂から、平石貴樹、大橋洋一あたりまで、教授で博士号をとっ…