『看聞日記』応永二十五年八月十日条に次のような記述があります。 関東大名南部上洛、馬百疋・金千両室町殿へ献之云々 この短い史料にはいろいろ考えるべき点があります。例えば「金千両」というその「金」はどこの産か、という問題も「奥州の砂金と言えば有名だよね」という問題ではないかもしれません。実は北海道の砂金だったかもしれないのです。 馬はどこのでしょう。これは「糠部って馬の産地だよね」と言われればその通りで、「糠部の駿馬」については研究もあります。 私が今回こだわりたいのは「関東大名南部」という言葉です。 「関東」と「東国」については『看聞日記』においては意味がはっきり異なります。 とりあえず見てみ…