祭りの夜 1955年(昭和30年)9月3日(土)夜、沖縄本島の中部、石川市(現在のうるま市)で石川幼稚園に通う永山由美子ちゃん(当時数え年で6歳、満5歳)が夕方に家を出たまま行方が分からなくなり、午後10時過ぎに警察に捜索願が出された。 その夜、石川市内はエイサー(旧盆に催される沖縄独自の念仏踊り)の祭りが各地で開かれており、由美子ちゃんは一人で映画を見に出掛けて行った。沖縄の夏は本土よりも日が長く、住宅事情もあって子どもたちを夜8時近くまで表で遊ばせておく家も少なくなかった。 映画が終わればすぐに帰宅するものと思われていた由美子ちゃんだったが上映終了後も戻らず、家族は知人宅や金武方面まで夜通…