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愚かなる妻

(映画)
おろかなるつま

Foolish Wives

1922年のアメリカ映画。劇場公開題は『愚なる妻』。
 監督・主演はエーリヒ・フォン・シュトローハイム

 第一次世界大戦直後のモンテカルロ。近くの海辺の別荘に、ロシア貴族と自称するセルジウス・カラムジン伯(エーリヒ・フォン・シュトローハイム)が2人の女のいとこと共に滞在している。しかし彼らは偽貴族で、偽金作りに作らせた偽金で生活をまかなっている。
 アメリカの全権委員J・ヒューズ氏は夫人をともなって、モナコ大公への親書を届けに来る。
 これを知ったカラムジン伯らは、ヒューズ夫人を篭絡し、大金を得て逃げるまでの間、世間の目をあざむこうと企む。
 
 カリフォルニアに本物と寸分違わぬモンテカルロのセットを組み、ユニヴァーサル社創設以来最大の製作費をかけて作られ、最終的な経費は100万ドルを超えたとも言われる。
 シュトローハイムは長大な映画を構想し、すべての場面をその構想に従って撮影したが、ユニヴァーサル社の社長カール・レムリの命令により、2度にわたる短縮を余儀なくされた。
 それでも通常の映画としては長すぎ、ユニヴァーサル社はアーサー・リプリーに最終版の編集を依頼した。
 1923年1月にニューヨークでプレミア上映された版は21巻、およそ3時間半。
 アメリカでの一般公開版ではさらに3分の1を削除。再公開時に中間字幕を差し替え、7巻に短縮。40年以上、短縮版で流布していた。
日本で1923年に公開された版は2部に分けられ、15巻あった。ヨーロッパ公開版もアメリカ公開版とは異なる編集だったようだ。
 現存する最良の普及版は全米映画協会の依頼でアーサー・レニグが復元したもの。当初の中間字幕を復元し、数々の削除場面を元に戻した。なおも断片的で画質にも難はあるものの『愚かなる妻』の現存する最良の形態だ。
 この復元版(143分)は北米Kinoから2003年に出たDVDに収録されている。
 2009年に紀伊國屋書店から発売の『愚かなる妻』クリティカル・エディションDVDもKino原版を用いている。

愚かなる妻  クリティカル・エディション [DVD]

愚かなる妻 クリティカル・エディション [DVD]

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