もともと、飛行機のコックピットの中での機長と副操縦士の関係を表したもので、航空業界で用いられてきた。 マネジメントの評価指針として活用され、二者の関係の勾配が急になれば、大事故につながると考えられている。勾配が急すぎると、ワンマンな運営になって、目下の人からの危険に関する情報伝達が遅れる傾向から判断が遅れ、逆に相対的に上長の権威が弱いと決定が遅れて事故になる確率が高まるという。
クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』では、登場人物が"Russian"と発声している箇所が、字幕ではことごとく「ソ連の」と訳されており、気になった。嫌だった、と遠回しに主張しているのではなく、単純に気になったのである。それを見るちょうど前の日に『アファーマティヴ・アクションの帝国』という本を読み終えたからだ。 アファーマティヴ・アクションの帝国――ソ連の民族とナショナリズム、1923年~1939年 作者:テリー マーチン 明石書店 Amazon 700ページもある本(もっとも、あとがきや註、索引が100ページ以上を占めるので、本文は555ページだが、とは言え)の詳細にわたる書評を書…
少子高齢化の進展に伴い労働人口が徐々に減っている社会を背景に、一部の組織やチームには役職として明記されて、乃至はなし崩し的にプレイングマネージャーが存在しています。 プレイングマネージャーとは現場で実務を行う「プレイヤー」と管理職である「マネージャー」を兼任する人です。一人二役を期待されており、労働人口が低減しつつある組織のニーズに適合したポジションだと言えるでしょう。 もちろんそんな理想は大抵の場合で現実的ではなく、プレイングマネージャーでグーグル検索してみればなんとも悲惨なサジェストが出ることからも分かるように、誰もがはっきりと、あるいは内心でプレイングマネージャーは問題だと思っています。…
「従業員にコンプライアンス研修をしましょう」なんてセミナーの広告メールが届きました。 うーん。 研修をすべき対象 もちろん従業員に何らかの研修を受けさせること自体は否定しません。それはそれで必要なことですし効果はあります。 ただ、真っ先にコンプライアンスの研修を受けなければならないのはトップ層です。末端の従業員ではなく上位の経営層こそが研修の対象となる必要があります。 昨今の品質不正や企業不祥事が露呈した経路の多くは内部告発です。組織内の内部通報システムが適切に機能しておらず自組織内での体質改善や自浄ができなかったために外部機関へ告発したことが理由であり、つまり末端の人間はちゃんとしたコンプラ…
このエントリはサイト『FashonHR』上に掲載されたインタビュー 『ファッションの魅力を描く漫画家たちVol.7 西尾雄太』 fashion-hr.com から事前にいただいた質問のなかでインタビュー当日に使用されなかったものを独自に回答した補遺です。 上記リンクのインタビューとあわせてお楽しみください。 -------------------- ・ファッションをテーマにした理由 これがプロパー商品であればもう勝ち筋ができあがってるのでやらなかったと思いますが古着であれば存分に自由にやれると感じられた、というのが大きな理由です。 最初のきっかけは、―これはディレクターさんや監督にも直接お話し…
世の中には明文・不文律問わず、様々なルールや決まり事があります。 ルールや決まり事は時に個々人の行動を制約する好ましくない存在となりますが、その不都合を堪えて守ることが共同体に安定をもたらし、そこに所属する人々の幸福に資することへ繋がります。 もちろんそれが度を過ぎれば全体主義的な態度になりかねませんし、時には非合理的なルールや決まり事もありますのでそれは是正が必要です。 しかしルールや決まり事の完全な不存在もまた望ましくありません。それは紐帯の切断に繋がり、共同体に所属することで得られている利益すら損ねることとなります。 つまるところバランスが重要であり、ルールや決まり事とは適量が重要な苦い…
そこそこに批判的な目線。 1月上旬の会話 友人「そういえばそろそろ台湾の総統選があるけど、どこが勝つと思う?」 私「ワシぁ予言者じゃないから分からないけど、まあ今回は民進党が勝つんじゃないかな、知らんけど」 友人「民進党は蔡英文さんの後継者だったね、なんでそう思うん?」 私「台湾の内情にそこまで詳しくはないから分からないけど、まあ台湾は国際情勢を読むことに長けた国だし、今年のアメリカ大統領選挙は荒れそうだから、その点からすれば民進党かなと」 友人「ほー」 私「まあ米中の軋轢はアメリカの議会が主導してることだから誰が大統領になったとしても実際はそこまで関係ないんだけどね。トランプさんからバイデン…
2024.scrumgatheringtokyo.org 昨日に引き続き、RSGT2024に参加してきたのでいつも通りの参加記録を書いていこうと思います。 だんさんとお話する 菩薩ハイタッチ 頭取に怒られる さとりゅうさんにコロニー見せてもらう NLP!!! えるさんとお話する みつかわさんとお話する nakoさんきょんさんと話す 集合写真 えるさんきょんさんとお話する 村上さんいくおさん(すやまさん)とお話する nacoさんとはじめましての挨拶をする さわさん(澤井さん)とお話する AckyさんとRSGTの一番の印象が強いできごとを言い合う 一次会 椎葉さんとよしきさんとお話する まっつんさ…
中央集権はもはや用済みである 前回の記事において、グローバル化とは分権化であると述べた。より詳しく言うと、グローバル化時代というのは自立した経済圏を持つ都市が主役となる時代であり、それまで国家が持っていた権力が都市(地方)に移譲されるという流れが支配的になる時代であるということである。すなわち、中央集権というあり方はもはや控えめに言っても用済みであるということになる。いや、用済みという表現ですら生温いかもしれない。もっと過激な表現をすれば「グローバル化の敵」と言っていいだろう。 そもそも、中央集権というあり方は、一言でいえば「戦争」のために作られた制度であると言っていい。中央集権の利点というの…
わーお、今度はダイハツさんの品質不正! まーた「日本の製造業がー!」と謎の連帯責任的批判が各所で吹き上がるかと思うと製造業の人間としては気が重いですね! 一緒にしないで欲しい。切に。 設計と品質が負うべき異なる責任 そんなわけで八つ当たり的に、少し厳しめの口調で一技術屋の見解を述べていきましょう。 不正の内容自体は各所で報道されているので詳細はさておくとして、今回の品質不正はうちのブログでも度々話題にしてきたようなテーマの複合です。 まず品質保証を担当する評価部門の発言権が弱すぎる。 品質に懸念がある時は設計部門に突っ返すだけの組織内権力を品質保証部門に与えなければ牽制のしようがないなんて当た…
常識ですね。 普通のこととして行ってきまして。 「騒音」対策 対策も捻じ曲げられ、不可能なことをされましたね。 捏造されている方々は それに対してのお姿もみられ。 半年前の記事のご紹介ありがとうございます。 ちょっとあれだから、 このへんにいれますけど。 (13日14日19日) 生態系を破壊されているのですよね。前提。 気候もあれだし、環境も。 あの春。 (あの7月8月…9月) バイトがお手もとに置く簡易な表とか。工夫はありよね。 だけど、お仕事量を加減されほるど気づかれて… 彼みられていたの。 目的は。 移転の時期、思うわね。 回復部分があるとか、 同意を取ることの曖昧さとか。 「記憶を消し…
《千の注釈》長過ぎる注 2023年10月某日、「(奈良)県内の歴史的な町並みや町家で現代芸術の展覧会を開催する地域型アート(注1)プロジェクト」、「地球に優しいエコロジカルな芸術祭」を謳う「芸術祭」、「はならぁと2023」の「こあ」に赴く。同じ地球に同居するものでもある COVID-19 が、人々の関心に感染する事が極端に少なくなって以降、COVID-19 罹患経験者による久し振りの大きな「芸術」のイベント詣でである。 (注1)「地域型アート」は、藤田直哉氏の言うところの所謂「地域アート」と同義なのだろうか。それとも別義である事を意図しての「型」を付した「地域『型』アート」なのだろうか。 普段…
agile-studio.connpass.com こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。 会の概要 会の様子 大前提 アジャイル経験者のほうが多い場合に気をつけること ウォーターフォールしか知らない人のほうが多い場合に気をつけること ウォーターフォールしか知らない人とアジャイル経験者が半々くらいの場合に気をつけること 番外編〜アジャイル経験者は多いけれどDo Agileのメンバーばかりの場合に気をつけることは?〜 発注側がウォーターフォールしか知らない人で受注側がアジャイル経験者の場合に気をつけること 受注側がウォーターフォールしか知らない人で発注側がア…
このエントリは「フィヨルドブートキャンプ Part 2 Advent Calendar 2023」4日目の記事です。adventar.orgPart 1はこちらです。adventar.org はじめに 僕はフィヨルドブートキャンプ(FBC)でメンターをやっています。 メンター業の一環で生徒さんのコードレビューをやっているのですが、コードの問題点や改善ポイントをコメントしたりすると、ときどき以下のような反応(日報でのコメントを含む)が返ってくることがあります。 「大変申し訳ございません。修正させていただきました」 「ミスがたくさんあって凹んでいます。自分が情けない」 「ミスばかりしてるのになんで…
トーン・ポリシング(Tone policing)とは意見の内容ではなく意見を述べる際の口調や論調に対して否定的な態度を取ることで意見の妥当性を損ねる行為であり、大まかに言えば論点のすり替えです。 最近の事例であれば、ジャニーズ事務所の記者会見で代表取締役が報道陣の強い口調を嗜めた行為がトーン・ポリシングにあたると批判されているのを見かけました。 もちろん他者の意見の妥当性を貶める目的で行われるトーン・ポリシングは詭弁に他ならず、当然批判されて然るべきです。 ただ、トーン・ポリシングを指摘する行為が必ずしも錦の御旗として使えるか、あるいは詭弁を粉砕できる銀の弾丸であるかには個人的に疑問を持ってい…
カケハシでVP of Engineeringをやっています、ゆのん(id:yunon_phys)です。僕はEngineering Manager(EM)とは何かについて、かれこれ5年ぐらいEM.FMというPodcastや、ブログを通じていろんな発信をしてきました。そうすると色んな質問を各所から受けるわけなんですが、一番聞かれる質問第一位は、「結局EMって何する人なんですか?」 です。一口にEMって言っても、なんか人によって得意な領域が違っていたり、大事だと思うポイントがバラバラなので、この疑問を持つのはそりゃそうだよなあ、とは思います。というわけで、このエントリーではEMは何する人なのかを明ら…